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恋より先に、忠誠を。

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恋より先に、忠誠を。

11 - 10,たったひとつ、選んだ言葉が

♥

124

2025年07月14日

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rara🎼

第10話です!

nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 兄弟パロ、執事パロ

rara🎼

ご本人様には一切関係ございません!
苦手な方はback推奨!

rara🎼

では!

rara🎼

どうぞ!

10 たったひとつ、選んだ言葉が

金曜日の午後、六奏学園には、週末を前にした開放感がほんのりと漂っていた。

廊下を行き交う生徒たちはどこか浮ついた足取りで、教室の空気もいつもよりざわついている。

そんな中、こさめは窓辺の席で一人、静かに本を閉じた。

昼休みも終わりかけた頃、隣の席に座るなつが何気なく口を開く。

なつ

……疲れてるのか?

こさめは少し驚いたように目を上げる。

こさめ

え?

こさめ

ううん、大丈夫

こさめ

ちょっと考え事してただけ

そう言って笑ってみせるこさめに、なつはしばらく黙ったまま視線を外した。

けれど数秒後、ぽつりと低い声が落ちる。

なつ

……話したいことがあるなら、聞く

こさめ

……え?

なつ

無理に言わなくていい

なつ

でも、言いたくなったら、言えばいい

それだけ言うと、なつは再び前を向いてしまう。

こさめはその背中を見つめながら、少しだけ唇を噛んだ。

──たったそれだけの言葉なのに、こんなに心が軽くなるなんて。

こさめは、そっと呟いた。

こさめ

……ありがとう、なつくん

一方、生徒会室では、らんがプリントの束を机に並べていた。

らん

会議、また延期か……なんでこう、生徒会って地味に忙しいんだろ

疲れたように伸びをするらんの隣で、いるまが静かにメモを取っている。

いるま

本来はもう少し効率的に処理できるはずですが、周囲の雑務が多すぎます

らん

ほんと、周囲って厄介だよな

らん

……あ、そうだ

らんは急に思い出したように身を乗り出す。

らん

今度、推薦面談あるんだ

らん

担任ともう1人、補佐役がつくんだけど……その“補佐”って、俺、いるまで頼めないかな?

いるまは少しだけ目を見開いた。

いるま

……それは、推薦の場で“身内”に近い人間を選ぶのは、誤解を生む可能性が──

らん

うん

らん

でも、それでも頼みたい

真剣なまなざしで向けられた言葉に、いるまは黙り込んだ。

らん

俺さ、ちゃんと正面から通ってきたこと、分かって欲しいんだ

らん

……いるまに

いるま

──分かっています

いるま

誰よりも

しばらくの沈黙のあと、いるまはうなずいた。

いるま

……その場で、全力で証明させていただきます

らんはふっと笑った。

らん

頼りにしてる

放課後の校門前。

制服の襟元を少し緩めたみことが、スマホを片手に誰かを待っていた。

みこと

……遅いなあ、すっちー

その声に応えるように、少し離れた木陰からすちが現れる。

すち

申し訳ありません

すち

急ぎで職員室に呼ばれておりまして

みこと

もう、なんでそんなに先生に気に入られてんの

みこと

生真面目すぎやって

すち

みこと様が自由すぎる分、俺が補っているのかもしれません

みこと

補ってへんで

みこと

俺は“ちゃんと”してるつもりやし!

むくれるみことを見て、すちはほんの少し笑った。

すち

それなら今日は、みこと様のお好きなカフェにご案内します

すち

少し遠回りにはなりますが

みこと

えっ、カフェ!?

みこと

俺、そんな話してへんかったよ?

すち

いえ、朝の会話で“たまには甘いもの食べたいなぁ”と仰っていたのを覚えていましたので

みこと

……そんな小さなこと、覚えてんの

すち

すべて、重要な情報ですから

みこと

もう、ほんまに……すっちーのそういうとこ、ずるいわ……

すち

ありがとうございます

みこと

褒めてないってば……

でもそのまま、みことは横に並ぶすちの袖を、そっとつかんだ。

みこと

──行こうか

すち

はい

ふたりの歩幅は、ほんのわずかだけど、ぴったりと揃っていた。

その夜、屋敷のダイニング。

珍しく六人が同じ時間に顔を合わせていた。

夕食を終えた後、自然と会話が広がっていく。

こさめ

そういえば、なつくんのクッキー、美味しかったなぁ

なつ

……俺が作ったわけではありません

なつ

厨房の者の仕事ですので

みこと

でも、持ってきてくれたのはなっちゃんなんやろ?

こさめ

うん、あれ、嬉しかった

こさめとみことが笑う中、すちといるまはそれぞれ背筋を正しながらも、少しだけ柔らかな表情を見せる。

らんはその光景を眺めながら、ぽつりと呟いた。

らん

……なんか、最近ちょっと、楽しいよな

その言葉に、誰も返事はしなかったけれど。  不思議と、その場にいた全員が同じ気持ちでいた。

──たったひとつ選んだ言葉が、相手の心に届く。

それだけで、世界が少し変わることを、彼らはこの日、少しだけ知ったのだった。

第10話・了

rara🎼

おかえりなさい!

rara🎼

次回!

𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡110

rara🎼

では!

rara🎼

ばいばい!!

恋より先に、忠誠を。

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