この作品はいかがでしたか?
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コメント
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めっちゃ感動系なのにしっかり腐要素も入ってるからとてつもなく好きです!
初
初
呼ぶ声に誘われてドアの方を見ると、そこにはいむくんが居た。
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今にも泣き出しそうな声で返事をする。
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「何でそんな格好なの…?」
初
初
その視線の先、自分の制服を見つめる。
ネクタイは解けかけ、Yシャツも上の方のボタンが開いている。
見るからにボロボロで、でもそこが少し”誘っている”ような雰囲気を包んでいた。
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いむくんが俺を見ながら片手の手の甲で顔を覆い、赤面を隠していた。
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h
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そう言って俺から目線を外そうとする。
初
疲れか快楽の余韻か、ふわふわした脳内のまんまいむくんの元へ寄る。
トサッ…――――
初
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その瞬間、バランスを崩し、いむくんに弱々しくもたれ掛かる体制になる。
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キャパオーバーしそうなほど顔が赤くなっているいむを横目に、
―こんな弱々しい自分見せたくなかったな…
そんな思いに沈んでゆく。
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初
…あかん…ぼんやりしてて頭が全然回らへん。
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そう言っていむくんは俺のシャツのボタンを閉め直そうとした。
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その瞬間、いむくんは俺の首元に目線を落として絶句していた。
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初
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急ぐように近くの棚にあった鏡をこちら側へと向ける。
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初
そこにはとても多くの噛み跡が残り、赤くなったり茶色くなったりしている 怪我が首まで繋がっていた。
初
h
そう呟いたものの、お互いに察しがついていた。
急に言葉がなくなり、重い空気が2人を包む。
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言い出すにも言え無さそうな雰囲気でいむくんは話し始める。
―その時だった。
――ガラガラッ
な
な
どんだけ走って来たんだと言わんばかりに息を切らして喋る。
な
な
初
意外な話過ぎて間の抜けた声が漏れる。
h
な
な
…俺だけ…?どういう事…??
な
初
早くその謎を解きたいのか、話すのがめんどくさくなったかの様に俺の腕が 引っ張られ、そのまま連れて行かれる。
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な
な
初
そう言って芝生に視線を向ける。
初
このどこにヒントがあるのか、警戒もしないで仰向けになった。
な
な
初
その途端、「仰向けになる」という単純行動を煽る様に嘲笑った。
な
な
初
な
初
グリィッ…♡♡
な
そう言って俺のへ、少し強めに自分の膝を押し付けた。
な
な
初
…ないちゃんまでがこんな人間だったなんて。
俺は諦めて無心で寝っ転がる。
夜空はとても綺麗なのに…
…何で俺の運命はッ…
な
初
な
シュッ――――…
ほんの一瞬で不意に身体が浮かんだ。
初
…僕の初兎ちゃんに
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な
初
ないちゃんが物欲しそうな眼でこちらを凝視する。
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h
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初
いむくんに揺られ着いた先は屋上だった。
いむくんが校舎外から俺を抱いてここまで走って来たかと思うと、
…なんで、
初
そう思ってしまう。
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だがいむくんも限界をとうに越え、過呼吸になっていた。
初
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それはいつまで経っても治まらない…むしろ悪化するばかりだ。
初
今、弱ってるいむくんにならキス…できるかな…
今までされるがまま、下側の立場になって皆に服従してきたんだ。
こんなのダメだって分かってる…けど…
…
…何でっ…友達が苦しんでいるのにこんな想像をしてしまうのだろう。
必死に頭を張り巡らせようとする気持ちと人並みの欲が複雑に絡まっていた。
初
”兎”って自分の好みの状態だと身体関係を満たしたくなってしまう。
何で…イケない事だって分かってるのに、
初
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いむくんが優しいから…
俺だって溺れるからっ…
初
h
ヤバっ…何やってんやろ…俺……
初
初
h
初
気まずい空気を勢いと時間で乗り切ろうとした末、頬の傷について指摘する。
きっと、さっき走っている途中で出来たものだろう。
h
初
いむくんの頬に触ってる俺の手を包むように触る。
h
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消え入りそうな声で呟く。
h
そう言って自分の腕時計の時刻を確認する。
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初
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「あと5時間…」
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空気を読んでいたかの様に真冬とは思えない優しい風が吹く。
初
そう言っていむくんの言葉に同意した。