主
主
主
主
主
主
主
主
主
2021年5月15日、私達は1年前結婚 した。だから初めての結婚記念日だ。夫の優ちゃんこと小林優翔は 東京で弁護士をやっている。いつもは仕事が忙しく帰りが遅いが
小林優翔
と約束してくれた。
せっかくだからと張り切って私は 料理を作った。品数はいつもより 多めに、食材もいいものを買った。 後は予約しておいたケーキを 優ちゃんに取ってきてもらえば 完璧だ。
小林晴夏
私は優ちゃんの喜ぶ姿を思い 浮かべる。
小林優翔
彼の事を考えると嬉しくなって 思わず笑みが溢れてきた。
小林晴夏
それから約1時間後、午後8時47分
小林晴夏
小林晴夏
小林晴夏
その時急に私のスマホが鳴った
小林晴夏
私はスマホに飛び付き、画面も見ず電話に出た。
小林晴夏
小林晴夏
私は病院の廊下を全力で走る。 すれ違った看護師さんに
看護師
と注意されるが構わず走る。
小林晴夏
そんなことを考えながら、彼の病室まで急いだ。
バンッ
小林晴夏
優翔の母
病室に入った途端目に飛び込んで 来たのは 包帯が全身に巻かれ青白い顔で ベッドに横たわる夫と 潤んだ目でこちらを見ている 彼の母親だった
小林晴夏
私はフラフラとベッドに近づく
たった数メートルの距離が ものすごく長く感じる
やっとの思いでたどり着いた彼の頬に触れると
ゾッとするほど冷たかった
小林晴夏
優翔の母
優翔の母
私は悟ってしまった。
優ちゃんがもう空へ 旅立ってしまったことを
よく考えたらおかしかった お母さんが電話をしてきた時、何かを堪えるような声をしていた事。
ベッドにいる優ちゃんに心電図の モニターが付いていない事。
よく考えたら分かったはず。
でも優ちゃんが死んでしまったって信じられなくて、信じたくなくて
もしかしたら私が着いたら急に元気になって
小林優翔
なんて笑いかけてくれるかと思って
彼の頬の冷たさが私を現実へと 呼び戻す
小林晴夏
小林晴夏
小林晴夏
小林晴夏
6月の花嫁は幸せになれる。 嘘だった。 幸せになれるはずだったのに 神様に見捨てられた…
小林晴夏
あの日から1年、今日は… 2022年6月15日。
小林晴夏
ボソリと祝いの言葉を口にしながら私は優ちゃんのお墓に花を供える
1年たった今でもあの日の事は鮮明に覚えている
優ちゃんがいなくなってしまった 事は今でも耐えきれない
時々、思い出して泣いてしまう ほど。
でもいつまでも立ち止まっては 居られない
優ちゃんが最後にくれたあの言葉…
小林晴夏
小林晴夏
小林優翔
小林晴夏
そこにはほんの少し体の透けた 優ちゃんの姿が会った。
小林晴夏
小林優翔
小林優翔
小林優翔
小林優翔
小林優翔
小林優翔
小林晴夏
小林優翔
小林晴夏
小林晴夏
あれは絶対に優ちゃんだった。 きっと最後に神様がお話させて くれたんだ
あの日は神様を呪った。なんで 優ちゃんなんだって
でも今なら少し分かる気がする。 神様も優ちゃんの近くに居たかったんじゃないかって。
でも置いていかれちゃう私達が可哀想に思えて最後に少し話をさせてくれたんじゃないかって。
まだ心の傷は癒えないけど、いつかまた前を向いて笑えるといいな。
6月の君へ届くように
コメント
164件
感動しました😭
…(泣)あ…ごめん…感動しちゃった…(笑)クオリティ高いね…!すごいよ( *´꒳`* )