奏
パパとママ来るかな?花火、始まるよ…

奏はボロボロと泣く。千嘉は奏の背中を擦りながら言った
千嘉
奏ちゃん、どうしたの?花火が関係あるの?

奏
去年、あの人と約束したの。〜冗談のつもりだったの!だけど約束してくれて…でもその人と結局花火見れなくて…。何度も謝ってくれたのに…私のせいで…私がいけないの!でも…今年は約束していないから…看護師さんに聞いたら来るわけないって言って…〜

千嘉
奏ちゃん、とにかく落ち着いて…

千嘉は奏を抱きしめた。奏は何かが解れたのか千嘉の胸の中で大声で泣いた
千嘉
(きっと、朝から窓の外を見ていたのは去年のことを思い出していたのだろう…。ずっと不安と戦っていたんだね…ごめんなさい、奏ちゃん…早くに気づいてあげられなくて)

奏が落ち着いたのを見て、千嘉は一旦離れた。そして奏の目を見て笑顔で言った
千嘉
奏ちゃん、私について来て!
