私の憧れは、小さな先輩。
いつも厳しくて…
礼儀正しくて、真面目で………
だけど私は知っている。
彼の秘密。
一年前。
中学校入学式。
私は大遅刻をした。
日野 南
怒られるのだけは嫌だったから 全力ダッシュで校門を駆け抜けた。
そんな時だった…
伊藤 要
少し声変わりしかけの声だった。
日野 南
私はきょとんとして立ち止まる。
そこにいたのは小さな男の子だった。
制服をきちんと着こなしていて、 可愛らしい。
日野 南
私は話しかける。
するとキッと冷たい瞳で彼は睨む。
伊藤 要
日野 南
伊藤 要
伊藤 要
日野 南
彼の胸ポケットに付けられた名札は
私より1つ上の学年にあたる2年生であることを示す黄色をしていた。
日野 南
日野 南
伊藤 要
伊藤 要
日野 南
伊藤 要
伊藤 要
伊藤 要
伊藤 要
伊藤 要
伊藤 要
日野 南
日野 南
日野 南
伊藤 要
日野 南
彼は意地悪だ。
私に対して。
いつもは優しい王子様オーラを出してるし、
私達の学年にちょー人気だし、
真面目で、頭いいし、
でも全然格好良くない!
うるさいし、意地悪!
もう、さいあく!
でも1つだけ…
彼は…優しい。
日野 南
とある日… 私は大量のノートを抱えたまま、
何もない廊下でつまずいた。
たくさんのノートが宙に舞う。
私はきゅっと目をつぶった。
伊藤 要
突然ガクンと身体が揺れる。
いつの間にか身体が 傾いたまま誰かに支えられていた。
優しく肩を掴んでいたのは……
伊藤 要
先輩だった。
日野 南
日野 南
伊藤 要
伊藤 要
先輩は私を一目見ると、眉間にシワを寄せた。
一気に不機嫌な顔に変わる。
伊藤 要
日野 南
伊藤 要
日野 南
私はビシッと硬直しつつ立ち直す。
先輩はそっぽを向いたあと
伊藤 要
機嫌が悪そうに通り過ぎていった。
周りをみるとノートが散乱している。
廊下にいたのが先輩だけでよかった。
ゆっくりとしゃがみ、1枚ずつ拾う。
すると……
私の頭上に小さな影が現れた。
日野 南
伊藤 要
そこにいたのは、 呆れた顔して微笑む先輩だった。
先輩はそのまま私の隣にしゃがむと、 ノートを急いで拾ってくれた。
優しいな…
はじめて思ったのがその日…
その瞬間。
伊藤 要
日野 南
伊藤 要
伊藤 要
伊藤 要
日野 南
伊藤 要
伊藤 要
日野 南
伊藤 要
彼は照れ隠しなのか、 またそっぽを向いた。
伊藤 要
伊藤 要
先輩は振り返らずに立ち去ろうとする。
でも私は気づいたんだ。
まだ…
『ありがとう』って言えてない。
日野 南
静寂していた廊下に、私の声が響いた。
彼は振り向いた。
日野 南
日野 南
日野 南
思い切って言うと、彼は……
伊藤 要
目を見開いていた。
窓から入る夕焼けの明かりを浴び、 先輩の顔は赤らびていた。
そうしてしばらくして…彼は微笑んだ。
伊藤 要
それからというもの、 私は彼を追いかけている。
意地悪な彼を。
でも本当の彼を知っているのは…
私だけ。
いつも真っ直ぐで、一生懸命。
頑張り屋さんで…
でも意地悪。
だけどだけど。
優しい彼、
いつの間にか…
私は惹かれていくようになる。
失恋するのはまだ先の話。
コメント
8件
みかげちゃん ありがとーー!!やろやろ…自分でも驚いたわ笑
しろくま🍓 いえいえ!!続きは…、ない!爆笑
しろ🍓コン参加有り難う!大好きRION様!気付かなかった❗え?最高。続き欲しい←まじで😆⤴️⤴️