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人外の館 第0話①「二つの出逢い」

館内

マイ(女剣士)

そういえば、あなたの種族ってなんなんですか?

⁇⁇

私は天使…と人間のハーフ。

マイ(女剣士)

ハーフ?それはどういう?

⁇⁇

やっぱりそうなるよね…じゃあ、少し昔話をしようか。

数年前…

⁇⁇

私は最初、天界にいてね、そこは君が考えている天国とは全く違う、まるで地獄のような世界だったんだ。

⁇⁇

天界では毎日22時間労働。それでもキツいけど、後1時間礼拝、そして1時間のみの睡眠。そして全く寝付けないまま労働へ戻る。

⁇⁇

「いつか然るべき時、主神が救ってくださる」と毎日飽きるほどその文言を聞かされ続けた。

⁇⁇

それに親はいない。だから一人で賄っていかなければならない。

⁇⁇

そしてそんな労働を続ける毎日、そして自分の中で何かがプッツリと切れた。肉離れとかそんなチャチなものでは断じてない。おそらく、そこから僕は気が狂ったのだろう。

⁇⁇

この天界で僕は暴動を起こした。もちろん僕1人で。

⁇⁇

ほら、これがその時の傷

そうして、彼女は深く傷がついている腕を見せる

マイ(女剣士)

うわぁ…痛そう、そんなに激しかったんですね…

⁇⁇

そして僕は案の定負けた。ボコボコにされた。

⁇⁇

そして僕はその罪から天界を追放された。

⁇⁇

そして人間界に堕とされた。

⁇⁇

じゃあ、ここからは思い出すだけで胸が痛くなるような出来事を話そう。

⁇⁇

そして、ここからは僕の記憶の中に入ってもらおう…

そうすると、脳内に信じたくもない悲劇の記憶が溢れ出す…だがそれとともに、幸せな出来事も脳内を駆け巡る。

⁇⁇

僕は彷徨っていた…これからどこへ行くわけでもないのに…

⁇⁇

そうして真っ暗な道を彷徨い歩いていた。

⁇⁇

そうすると、とある女子高生から声をかけられた。

⁇⁇

どうしたの?こんなところに1人で、まあ私がいえたことじゃないけど(優しく微笑む)

⁇⁇

……

⁇⁇

君、帰るところは?

⁇⁇

‥ない

⁇⁇

そうなんだ…じゃあさじゃあさ!私の家に来る?親も優しくて、けっこういいとこだよ。

⁇⁇

…じゃあ、行く。

⁇⁇

よし来た!じゃあ行くよー!

そうして、彼女はこの子供?を担いで家へ向かう。

⁇⁇

っと…着いたよ!ようこそ私の家へ!

⁇⁇

……

⁇⁇

じゃあ、これからよろしくね♪

そう言って優しく手を握って来る)

⁇⁇

…ええと…まだ住むって決めたわけじゃ…

⁇⁇

えぇ?でも身寄りがないんでしょ?遠慮しないでよ〜

⁇⁇

…じゃあ、うん。

⁇⁇

よしきた!じゃあまだ親が起きてるからこのことを伝えに行こう!着いてきて!

⁇⁇

…あ、うん。

数十分後

⁇⁇

ここから私の幸せな生活は始まった。

⁇⁇

今さ、暇だから一緒に遊んであげるよ!1人だと退屈でしょ?何して遊ぼうか?

⁇⁇

彼女はたまに遊んでくれて、友達も連れて来る。友達からはやけに可愛がられる。

⁇⁇

抱かれて撫でられて、なぜこんなことをするかは分からないが、一種の愛情表現なのかと思う。

⁇⁇

撫でられた時は…何故か…変な気分だったよ。

⁇⁇

そして旅行にも一緒に連れて行ってくれた。

⁇⁇

幸せで、とても充実した日々だった。しかし、こんな日々がずっと続くわけにはいかなかった。

⁇⁇

その悲劇は、僕が1人で外出していた時に起こった。

⁇⁇

何かやけに大きい爆発音が聞こえ、そこに走って向かってみると、

⁇⁇

その爆心地は僕が住んでいる家だった…そこにはあの女の子とその両親もいた…そのことに気づいた僕は膝から崩れ落ちた…

⁇⁇

おそらく僕が人間界で生きていることを知り、始末しにきたのだろう。

⁇⁇

僕が死ぬのは別にいいが、あの家族同然である皆んなが死んでしまうのはあまりにも辛かった。

⁇⁇

そこにはとてつもなく大きい炎が燃え盛っており、天使の僕でも触れただけで丸焦げになるほどだ。

⁇⁇

幸い僕がきた時には天使達は退却していたから死ななかったが、自分の非力さ、家族を守れなかったことに絶望した…

そして、あの時の記憶がフラッシュバックする。

⁇⁇

(呟き)

⁇⁇

お姉ちゃん…うっ…

⁇⁇

…すまない、感極まって泣いてしまった、話を続けよう。

⁇⁇

そして僕は警察に保護された。そしてその当時の顔、どんな顔だったか想像つくかい?

⁇⁇

目はハイライトがなく、口は中途半端に開いていて、くり抜かれたかのように真っ暗でさ、ずっと涙を流していたんだよ。これも恐らく、悲しみの感情からくるものだろうね。

⁇⁇

そして僕はその警察のところから脱出した。もし脱出していなかったら施設に送られていただろうからね。

⁇⁇

私はまた彷徨っていた…別に目的地もないのに…

⁇⁇

無限に続くかと思われていた森林を進んでいく。

⁇⁇

そこで、1人の男性が声をかけてきた。

⁇⁇

あれ?こんなところに子供が、どうしたんだい?まさか迷子かい?

⁇⁇

……

⁇⁇

うーん…君、自分の家は分かるかい?

⁇⁇

……

⁇⁇

もしかして…帰る場所がないのかい?

⁇⁇

…(コクリ)

⁇⁇

おっ、やっと反応したね。じゃあ、私の、いや、私達の家に来るかい?かなり広いし、けっこういいとこだよ。

⁇⁇

‥やだ

⁇⁇

ほう…どうしてだい?

⁇⁇

みんな死ぬから。

⁇⁇

なるほどね…でもそれは大袈裟な心配だよ。私達は人外って言ってとっても強い存在なんだ。例え君が指名手配されていようが、急にナイフを持って暴れても、私達からしたらかすり傷ひとつにもならないよ。

⁇⁇

……そう。

⁇⁇

で、どうする?行く気になったかい?

⁇⁇

…行く。

⁇⁇

よしきた!じゃあ行くよ!

そういうと、彼はこの子供?を担いで空を飛んでいく。

⁇⁇

僕はこの時、懐かしいと言うか、温かい感じがした。ノスタルジーとはまた違う何かだ。

1分後

⁇⁇

よし着いたよ。

⁇⁇

(コンコン)

⁇⁇

(ドアを開ける)ただいまー。みんな、新しい住民が来たよ!

⁇⁇

えー!本当に!

⁇⁇

やったぁ〜!

そうして彼女に駆け寄る。

⁇⁇

……

⁇⁇

まあまあ落ち着いて、

⁇⁇

……

⁇⁇

少しだけ、彼女との話に付き合ってあげてくれないか?

⁇⁇

わぁ…小さくて可愛い!ん?羽が生えてる!もしかして天使?

⁇⁇

…うん

⁇⁇

わあ!そんな高貴な存在に会えるなんて私は幸せ者だな〜!

⁇⁇

そんな高貴なものじゃない。

⁇⁇

奴隷と一緒だよ。

⁇⁇

そうなんだ…とっても辛い過去があったんだね…心に大きな穴が空いてるように感じるよ。

⁇⁇

でもさ、だったらここを一つの居場所にすればいいじゃない!いきなり忘れろとは言わないから、少しずつ慣れていけばいいし!

⁇⁇

……

⁇⁇

軽く言いすぎたかな…

⁇⁇

あ、そうだ!君の名前!まだ聞いてなかったね。

⁇⁇

…ない

⁇⁇

うーん…だったらさ自分で決めたらいいんじゃない?

⁇⁇

…え?自分で?

⁇⁇

そう!自分で!どんな名前で呼んで欲しいか、どんな名前なら好きになれるか、自分で決めてみたら?私達はどんな名前でも愛するし、やっぱり自分で決めるのが一番だよ!

⁇⁇

…(呟く)

⁇⁇

ん?

⁇⁇

私は、

⁇⁇

私の名前は…

アリア

アリア。

アリア

それが僕の名。

⁇⁇

アリア!いい名前じゃあないか!

アスカ

私はアスカ!これからよろしくね!アリアちゃん♪

アリア

…よろしく

⁇⁇

はい、じゃあお話は一旦おしまい!

⁇⁇

とりあえず、この館で暮らすには、館主に挨拶しに行かなければいけないんだ。もちろん私も着いていくよ。

アリア

…分かった。

⁇⁇

よし!じゃあ向かおうか。

館主の部屋へ向かう。

アスカ

また話そうねー!

アリア

…うん(静かに手を振る)

⁇⁇

着いたよ。ここが館主の部屋さ。

⁇⁇

(コンコン)

⁇⁇

失礼します…(ドアを開ける)

次回、館主登場。

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