母
母
父
父
母は昔から気を病むと、お酒に浸り自分をコントロールできなくなる人だった
将也
父
母
母
母
父
母
将也
母はいつも、辛そうな、そして味方でいてくれという目で俺を見つめてくる
父を見ると、下を俯いていた。
顔が上げられない、俺に見せる顔がない、というような
不甲斐なく下を向いているようだった。
母
将也
将也
嫌だ。
嫌だ…嫌だ嫌だ!!
父
将也
車は、もの寂しげな父を無視して進んで行った。
将也
無理だって分かってる。
でも…
将也
母
将也
母
将也
母
将也
…会いたいなぁ
櫻田さん。
会いたいよ。
しばらくして車が海浦駅の横を通りかかった
将也
将也
窓にへばりつくように、俺は外に見つけた櫻田さんを見つめた
母
母
将也
あー…
だめ。耐えきれない
将也
母
信号は青になった
遠ざかる櫻田さんを見つめることしかできなかった
どれほど経っただろう。
目が覚めるともう東京にいて
車から降りるとすぐにアパートが目に入った
将也
母
将也
母
将也
将也
そんなの綺麗事だ
大嘘だ。
母
将也
母は俺を優しく抱きしめた
母
将也
将也
それからの日々は楽しかった
学校も皆優しく迎え入れてくれたし
何より、父と母の大喧嘩を聞かなくて済むんだ
先生
先生
将也
ザワザワ
心の中もざわついてくる。
将也
将也
将也
将也
将也
将也
親の離婚…
なんて言ったら空気重くなるかな
反応にも困らせちゃうかな
瑠花
将也
将也
瑠花
瑠花
瑠花
瑠花
瑠花
将也
将也
瑠花
将也
瑠花
将也
将也
休み時間
将也
瑠花
将也
将也
瑠花
瑠花
将也
将也
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
瑠花
将也
将也
将也
将也
瑠花
瑠花
それから瑠花とはよく話すようになった
ある日の下校中のことだった
将也
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
将也
瑠花
将也
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
将也
瑠花と出会って2ヶ月経った頃、
瑠花から告白された
瑠花
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
将也
瑠花
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花は本当に、いい人だった
底なしの明るさでいつも周りを盛り上げていて
周りをいつも見ている
優しい人だった
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花
将也
何日も何週間も、ずっとずーっと
俺に好きと伝えてきた
それでも俺は櫻田さんを忘れられなかった。
でもこの気持ちが辛かった。
瑠花
将也
瑠花
瑠花
瑠花
瑠花
将也
どうしたら前に進めるのか分からない
でも
こんな俺のことをこんなに好きでいてくれてる人を
同じように好きになれたら
それはすごく幸せになると思ったんだ
瑠花
俺は、瑠花が差し出した手を握った
瑠花
いいの?だなんて、聞かないでよ
前に、進みたいから
将也
考えたら、本当にあり得ないことをしてしまった
自分のこの辛い気持ちを上書きしようと、瑠花の気持ちを利用してしまった
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
瑠花
瑠花
ああ
どうして俺は瑠花に、こんないい人に
こんなことを言わせてしまってるんだろう
瑠花
瑠花
瑠花
将也
瑠花
将也
将也
将也
将也
将也
将也
瑠花
将也
将也
将也
瑠花
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
瑠花
将也
なんであの時、自分のことを好きでいてくれる人を同じように好きになれたら幸せになれると
勘違いしてしまったんだろうか
将也
将也
将也
将也
瑠花
将也
将也
瑠花
将也
将也
瑠花
将也
瑠花は俺にキスをした
将也
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
瑠花
瑠花
あー。
俺って、こんなにもしょうもない人間だったんだ。
あっけなく中学生活は終わり、
高校1年の夏
母が死んだ
急性アルコール中毒だった
将也
死ぬほど辛かった
この時の気持ちは何にも例えられない
どんなにだらしなくてどんなに乱暴な母でも
どうしてだろうか、大好きだった
父
将也
父
父は優しく俺を抱きしめる
涙が溢れて止まらなかった。
将也
もっと、ありがとうって言えばよかった。
もっと、母に寄り添えば良かった。
嫌なことなんか、俺が全部聞いてやるって
そうやって、寄り添ってあげればよかった。
自分ばっかに必死になって
将也
将也
父
将也
将也
瑠花
将也
そこには、通学途中だった瑠花がいた
高校生になってからは会っていないから
少し久しぶりで、雰囲気も変わっていたと思う
瑠花
瑠花
将也
瑠花
瑠花
瑠花
瑠花
将也
将也
瑠花
将也
瑠花
父
将也
父
父
父
将也
父
将也
父
父
将也
こっちに戻ってきて
俺は心に決めた
もう、自分に嘘をつくのはやめよう
後悔なんかもうしたくない
私の事、逃げ場だと思っていいよ。
将也
将也
将也
神田くんは涙を堪えながら過去を話してくれた
蕾
なーんて
私の心はそんなに綺麗じゃないから…
蕾
蕾
将也
蕾
違うの、
言いたいことはこれじゃないし
神田くんの一番辛い時に
私がいれなかったのが悔しい
これも違う、
蕾
将也
嫉妬だな
よくわかる、嫉妬だこれ、
蕾
このままだと言いたくないことまで言ってしまいそうだから
将也
蕾
蕾
蕾
将也
蕾
蕾
後ろは振り向かなかった
今は顔見れないや、
悠里
蕾
悠里
悠里
蕾
私は、神田くんが話してくれたことを1から言った
悠里
悠里
蕾
悠里
蕾
蕾
悠里
蕾
蕾
蕾
蕾
蕾
悠里
蕾
蕾
悠里
悠里
蕾
悠里
悠里
悠里
蕾
悠里
悠里
悠里
悠里
蕾
悠里
悠里
悠里
悠里
蕾
悠里
蕾
悠里
蕾
蕾
蕾
悠里
蕾
蕾
悠里
蕾
悠里
悠里
蕾
悠里
悠里
蕾
蕾
悠里
悠里
悠里
蕾
蕾
蕾
悠里
蕾
ゆうりは負けず嫌いだ
そりゃあ、自分でとった切符で行きたいはず
蕾
悠里
悠里
悠里
悠里
悠里
悠里
蕾
蕾
蕾
蕾
悠里
蕾
悠里
悠里
ゆうりがここまで弱っているなんて…
普段あんなにサバサバして私に力をくれていたゆうりがここまで辛そうにしてるなんて
相当きてるんだな…
悠里
悠里
蕾
悠里
悠里
悠里
蕾
悠里
悠里
悠里
なんか、ゆうりじゃないみたい…
普段のゆうりみたいに、見える…けど
違う、無理をして切り替えてる気がする…
蕾
蕾
悠里
悠里
悠里
蕾
悠里
蕾
蕾
蕾
蕾
蕾
蕾
私は、どれほど心が狭く、
どれほど人の気持ちに寄り添ってあげられないのか
自分の分かりたくないことがよく分かって、
私って何なんだろうってとことん思う。
どうしたらいいんだろう。私に何ができるんだろう。
蕾
蕾







