狐神になった花垣君、下界へ行く

頂きます!

ずっと続けば良いのに

食事の間はこんな気持ちしか頭になかった

その後皆はお風呂に入り、自由時間となった

今頃皆は大広間で遊んだり喋ったりしているだろう

俺はというと…

幽霊達の相談にのっていた

幽霊が帰って行った

ｺﾝｺﾝ

俺はやろうとしたことを中断し大広間へ向かった

泡沫というのは鴉天狗様の弟子の事

かといって鴉天狗ではない

鴉一姿なのだ

どの神よりもわんぱくなのだ

噂をすれば

俺のことを武君と呼び翼をばたつかせながらこちらへ来るのは

わんぱく神の第一声

これには流石の俺でも敵わない

皆は突然の出来事に追いつけていなかった

その気持ちは分かる

俺もだもん

泡沫はぶら下げていた鞄の中からぶ厚い本を取り出して俺によこした

そしてまた泡沫は翼を忙しそうにばたつかせながら帰って行った

いつの間にか時間が経っていたので俺は急いで寝室へ戻った

夜は中々寝付けない

寝ると悪夢を見そうで寝られない

何故そう思うのかは自分でも分からない

昔下界へ行った神様が歌っていた歌があったっけ

少しばかり歌おうか

足りない

そして俺は目を閉じた

また知らない場所にいた

これだから眠るのは嫌なのだ

聞き慣れたしゃがれ声だ

兄弟ぃ………

太陽の位置からして朝の5時だろう

あの摩訶不思議な夢を思い出した

彼奴ら本気で入りやがった

黒く焦げた痕のようなものが背中を覆っていた

音もなく現れるのは辞めてほしい

心臓ビックリしちゃう

何故知っているんだ

なるほど、ななを様か

納得

忘れていた

かつて自分がまだ殺される前

村長の事を殺したいと思い続けてきたが

いつの間にかその思いは消えていた

何をするかと思えばアングリー君は引き寄せるように俺の頭を撫でた

どうしてだか分からないが

何だか不安になってきた

あの後皆で朝食をとり、下界へ戻る準備をした

俺は皆を下界へ返した

皆を下界へ返した後、俺は一人で神社を回っていた

この女の子は鶴姫(つるひめ)という

俺と同期の鶴の神の女弟子

最近自分の神社を持つことを許されたらしい

だから祝いに来たのだ

そこから他愛のない話をした

誰かに目を塞がれた

こんなやつ居たっけか?

………………………

まぁいいか

あれ、目が閉じて……

東卍を潰せる♡

随分と背丈のでかい男が現れた

今度は何なんだよ

目が勝手に閉じた

俺の意識がなくなった