テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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七夕未満な恋物語

第9話 - 第9話　男と男の倫理無き恋バナ

2024年12月25日

#青春恋愛

#学園

#恋愛

#近親相姦

#初投稿

カレー

織姫　琴

う…
お、終わら…ない…

水瓶　澄美(すみ)

そりゃーまだ1日目だしね〜

松彦　星

琴、一回休め

白鳥　大将(おおしょう)

つーか…もう帰らねぇ？

水瓶　澄美(すみ)

あー、そろそろ最終下校時刻だ

織姫　琴

うう…
ガクッ

大見栄張って啖呵切ったものの、結局ノートを写すので殆どの時間を削ってしまった。

つまり、知識は全く頭に入っていないのだ。

しかも、この地獄のような作業があと3科目も残っている。

織姫　琴

ごめん、すみちゃん
…ノート写真撮らせて

水瓶　澄美(すみ)

あー、いいけど…
家でも勉強すんの？

織姫　琴

だって…終わらないから

松彦　星

最初にかっ飛ばし過ぎると、後々へばるぞ

織姫　琴

勢いがしぼむから…
言わないでぇ…

松彦　星

はいはい
頑張れ頑張れ

机に突っ伏して意気消沈してる私を見て、星(せい)はとても愉快そうに頭をポンポンと叩いてきた。

織姫　琴

はぁ…他人事だと思って…

白鳥　大将(おおしょう)

あれ、つーか畑山は？

水瓶　澄美(すみ)

あ、はなこ？
アイツなら帰ったよ

水瓶　澄美(すみ)

用事あるっつって

水瓶　澄美(すみ)

あれ？ゆうまこそどこいった？

松彦　星

あのうるさい女子が
教室来た時に帰った

松彦　星

アイツ、あのー…
……なんだっけ名前…。

水瓶　澄美(すみ)

栄田まり、ね

白鳥　大将(おおしょう)

逃げたな

織姫　琴

……………。

白鳥　大将(おおしょう)

おーい、琴ー？
大丈夫かー？

水瓶　澄美(すみ)

駄目だこりゃ

松彦　星

死んだな

織姫　琴

の、ノート…撮らせて

水瓶　澄美(すみ)

あー、はいはい！

水瓶　澄美(すみ)

撮ったら帰りますよ〜
大丈夫ですかー？
お婆ちゃん

織姫　琴

いつもすまないねぇ…

水瓶　澄美(すみ)

お婆ちゃん、それは言わない約束でしょ？

松彦　星

コントやってないで
さっさと行くぞ

白鳥　大将(おおしょう)

しかも古いな

織姫　琴

あんまりウケなかった…

水瓶　澄美(すみ)

落ち込むなって

水瓶　澄美(すみ)

じゃ！アタシこの辺で！
また明日ね！

織姫　琴

今日はありがとう！
すみちゃん！

白鳥　大将(おおしょう)

じゃーなー、すみー

松彦　星

また明日な

水瓶　澄美(すみ)

うーっす

すみちゃんは手をブンブンと振り帰っていった。

織姫　琴

(すみちゃん…可愛い)

松彦　星

…おい、白鳥

白鳥　大将(おおしょう)

あ？

松彦　星

お前いつまでついてくんだよ

織姫　琴

多分、家までだと思う

白鳥　大将(おおしょう)

ああ、いつも送ってる

松彦　星

はあ！？いつも！？

白鳥　大将(おおしょう)

なんだよ、悪いかよ

松彦　星

いいのかよ琴

織姫　琴

最初は断ってたんだけど…

織姫　琴

そういえば、当たり前になっちゃったね

白鳥　大将(おおしょう)

そうだな

松彦　星

へー

白鳥　大将(おおしょう)

あ、そういや
この間話した後輩なんだけどよ

織姫　琴

あー！サッカー部の？

白鳥　大将(おおしょう)

そうそう、そいつ

織姫　琴

え！どうだった？告白上手くいってた？

白鳥　大将(おおしょう)

そうなんだよ

白鳥　大将(おおしょう)

アイツ生意気に成功しやがった

織姫　琴

わー！良かったね！

白鳥　大将(おおしょう)

そんでよ、その告白のとき…

松彦　星

なあ

白鳥　大将(おおしょう)

あ？

織姫　琴

ん？

後から星の声が聞こえ、大将と私は同時に振り返った。

いつの間にか、大将と私で話が盛り上がり

後ろに星を残してしまっていたのだ。

松彦　星

お前ら、そんなに仲良くなったんだな

白鳥　大将(おおしょう)

やっとな

白鳥　大将(おおしょう)

長かったな〜道のり

織姫　琴

ご、ごめんね大将…

織姫　琴

やっぱり、昔の印象が強くて最初は警戒してたというか

白鳥　大将(おおしょう)

まーそうだよな

松彦　星

いや、琴ダメだぞ。警戒しとけ

織姫　琴

どうして？ちょっとストーカー気味だけど、大将まともな大人になったよ？

白鳥　大将(おおしょう)

まともってなんだ、まともって！！！

松彦　星

そんなの表面だけだって

松彦　星

こいつ、琴前にしたら何するかわかんねえじゃん

白鳥　大将(おおしょう)

だ、か、ら、何もしねーよ！！！ふざけんな！！！

織姫　琴

いやこの間屋上で、ちゅーしようとしたよね？

白鳥　大将(おおしょう)

げ……

織姫　琴

前科もち

松彦　星

ほんとだよクソ野郎

松彦　星

なー琴？

織姫　琴

そーだそーだ

松彦　星

その点、俺は冷静で紳士だからな

松彦　星

アホみたいにがっついたりしねえよ

松彦　星

なー琴？

織姫　琴

そーだそーだ

白鳥　大将(おおしょう)

なにが紳士だ。散々失敗してたくせに

白鳥　大将(おおしょう)

なー琴？

織姫　琴

そーだそーだ

松彦　星

お前どっちの味方だよ！！

織姫　琴

よくわかんないけどノっちゃった

白鳥　大将(おおしょう)

お前、いつもデートで失敗してんじゃねーか

松彦　星

失敗っつーか、あれは……しょうがないだろ

織姫　琴

星、付き合ってた人でもいるの？

松彦　星

いや

松彦　星

付き合う前に振られた

織姫　琴

え、あ、そっか…

星にも好きな人がいたんだ

白鳥　大将(おおしょう)

あー、琴。多分、今考えてること違うぜ？

織姫　琴

え？

白鳥　大将(おおしょう)

こいつ、たまに告られるらしくてよ

白鳥　大将(おおしょう)

デートまでは強引に連れていかれるんだけど

松彦　星

写真撮れ、フードコートでお盆もつな、店を予約しろ、プランは考えてこい、飯は全部奢れ、つまんないから帰る

白鳥　大将(おおしょう)

…って感じらしいぜ？

織姫　琴

あらら…なるほど。

織姫　琴

ご愁傷様です

松彦　星

だろ？

織姫　琴

（以外…。なんだかんだ、私と出かけたときは全部スマートだったから、尽くすタイプなのかと思ってた）

白鳥　大将(おおしょう)

あー、でもそういや

白鳥　大将(おおしょう)

たまにスゲー気合い入ってたらしいな

松彦　星

あ？

白鳥　大将(おおしょう)

澄美に相談してたんだろ？
去年の夏かなんかのデート

松彦　星

あー、あれか

織姫　琴

ん？それって

白鳥　大将(おおしょう)

お前本命でもいんの？

松彦　星

違う、琴と出掛けてた

織姫　琴

あ、やっぱり！

白鳥　大将(おおしょう)

はあ！？お前ら二人で出かけてたのか

松彦　星

ああ。毎年両親に内緒でこっそり会ってた。
去年はたしか海行ったな。

白鳥　大将(おおしょう)

二人で！？

織姫　琴

そうだよ

織姫　琴

やっぱり、これって変？

松彦　星

…何が変なんだよ

白鳥　大将(おおしょう)

変！？変だろ！！！なんで……なんで、……

白鳥　大将(おおしょう)

……くそぉ！！！
俺も誘えよ！！！！

松彦　星

誘うか

白鳥　大将(おおしょう)

俺ずっと琴に会いたがってたの知ってるよな！！？

織姫　琴

星と出かけるの楽しかったな

松彦　星

それならよかった

白鳥　大将(おおしょう)

だから気合い入れて準備してたってことか？
はあ……クソが人の心を養え

松彦　星

そりゃー、琴となんてなかなか会えないんだから、なぁ？

織姫　琴

そうだね、うん。…すごく嬉しい

織姫　琴

ありがとう

白鳥　大将(おおしょう)

次は俺とな！！デート！！

織姫　琴

い、いや別に私たちはデートってわけじゃ…

松彦　星

お前はだめだっつの

白鳥　大将(おおしょう)

じゃあ、誰ならいいんだよ

松彦　星

え？

織姫　琴

……。

松彦　星

…………。

白鳥　大将(おおしょう)

なあ

織姫　琴

あ！！

松彦　星

うお。びっくりした

白鳥　大将(おおしょう)

どうしたどうした

織姫　琴

わ、私……その…勉強するから先帰る！！

白鳥　大将(おおしょう)

ええ！！！琴待てよ

織姫　琴

二人で恋バナしててー！！！

松彦　星

絶対嫌だ。

白鳥　大将(おおしょう)

絶対嫌だ。

織姫　琴

じゃあねー！！

パタパタパタパタっ…

松彦　星

…おいストーカー、追わなくていいのかよ

白鳥　大将(おおしょう)

で、お前誰ならいいんだよ

松彦　星

だから…

松彦　星

俺みたいに冷静かつ紳士で

松彦　星

琴のことよくわかってて…。琴を泣かせないやつで…。
琴とずっといれて…。琴とずっと一緒にいて…

白鳥　大将(おおしょう)

なるほどな。お義兄様

松彦　星

お前じゃねえよ

白鳥　大将(おおしょう)

え。今ので俺じゃねえの？

白鳥　大将(おおしょう)

そんなん、俺以外っつったら……

松彦　星

……え、俺？

白鳥　大将(おおしょう)

……。

松彦　星

……。俺は、あいつの双子だ

白鳥　大将(おおしょう)

なら、いつまでも琴に引っ付くな

松彦　星

別に、引っ付いてるわけじゃ…

白鳥　大将(おおしょう)

お前が琴を大事にしてきたことは、他人の俺から見てもわかる

白鳥　大将(おおしょう)

わかってる、わかってんだ……。わかってるけど…。

松彦　星

…なあ、お前ってなんで琴のこと好きなの？

白鳥　大将(おおしょう)

なんだよ急に。本気で恋バナすんのかよ

松彦　星

茶化すな。

松彦　星

なあ、白鳥。お前ちょっと異常じゃないか？

白鳥　大将(おおしょう)

……。異常って？

松彦　星

お前、なんでそこまで琴にこだわるんだよ

白鳥　大将(おおしょう)

だから、あの小５の時…

松彦　星

そりゃ初恋だろ？
六年も会ってない初恋相手を想い続けるとか、正直すごいけどよ

松彦　星

なんか……ここまでくると……

白鳥　大将(おおしょう)

ああ、なるほどな

白鳥　大将(おおしょう)

確かにそうだよな

白鳥　大将(おおしょう)

そういや、なんでなんだっけな…

松彦　星

自分でもわかってないのか？

白鳥　大将(おおしょう)

そうなんだよな…
でも、どうしてか惹かれる。

松彦　星

へー、そんなんで六年もよく保ったな

白鳥　大将(おおしょう)

あ…

松彦　星

心あたりでもあんのか？

白鳥　大将(おおしょう)

俺…琴のこと好きじゃないかもしれない

松彦　星

いやんなわけねえだろ

白鳥　大将(おおしょう)

いや、そうだ。たぶん好きとかそんな綺麗な気持ちじゃない。

松彦　星

それは知ってる。
ずっと言ってんだろ。
お前は危ないって

白鳥　大将(おおしょう)

あぁ、そういや言ってたな！

松彦　星

お前疲れるな…

白鳥　大将(おおしょう)

なあ、

白鳥　大将(おおしょう)

琴ってお前のこと好きだろ？男として

松彦　星

……は？！え、はあ！！？何だよ急に…
そんな訳ないだろ

白鳥　大将(おおしょう)

いい加減やめろよそれ。

白鳥　大将(おおしょう)

聞いたんだろ？屋上で

松彦　星

…お前わざとかよ

白鳥　大将(おおしょう)

当たり前だろ。もう、速く決着つけたいんだ

松彦　星

やっぱ、お前やばいな。琴のことになると

白鳥　大将(おおしょう)

それはお互い様だろ。なんでだろうな？

白鳥　大将(おおしょう)

あ、そんでなんだっけ？なんで琴にこだわるかだっけか

松彦　星

そうだよ

白鳥　大将(おおしょう)

そうだな…。

しばらく考えるような素振りを見せ、夕日を見ながら

自問自答するように語りだした。

白鳥　大将(おおしょう)

さっきも言った通り、琴はずっとお前が好きなんだ。

白鳥　大将(おおしょう)

だから、お前を想う琴が…
頭にこびりつくんだ

織姫　琴

『星！大好きだよ！』

目を閉じれば、嬉しそうに星に駆け寄る琴がいた

白鳥　大将(おおしょう)

だけど

織姫　琴

『え？大将…どうしたの？何して…アグッ』

その目、俺に向けろよ

白鳥　大将(おおしょう)

首をもいででも、俺に向かせたい。
気づいたらそんな自分がいた。

白鳥　大将(おおしょう)

あの日、お前の前でしか泣かなかった琴を、
俺の方に崩れさせたいんだ。

そうか。ずっと考えて来なかったけど…。俺の気持ちの正体は、ただの

興味とエゴと執着心の塊だ

昔から、なんでかずっと気になる存在で興味があってちょっかい出してた。

そこから、琴の興味は俺じゃなくて星に向いてることに気づいた。叶わない相手を想う琴の気持ちは、危うく、不安定だ。なのに一生懸命だからいじめたくなった。

そして、二人きりで山で遭難したあの夏の日それを俺に向かせたいというエゴが生まれた。

なのに、いつも俺の手からすり抜けてくから、ますます乾いていくんだ。会えなかった六年が執着心を育てていった。

白鳥　大将(おおしょう)

泣かせないって決めたけど、泣かせたいんだよな

松彦　星

まじかよ…

白鳥　大将(おおしょう)

なんだよ

松彦　星

思ってたより普通だな

白鳥　大将(おおしょう)

どんなの期待してんだよ！！

松彦　星

でも、思ってたより
腹ん中真っ黒で驚いた

白鳥　大将(おおしょう)

なんでだよ

松彦　星

好きな奴に他に好きな奴がいたとき、対外する行動は二つだろ？

松彦　星

諦めるか、その気持ちを利用するかだ

松彦　星

そんで、屋上での会話を聞いて確信した。
お前は琴の気持ちを利用して心の拠り所になったんだろ？

白鳥　大将(おおしょう)

利用って人聞き悪いな！！

白鳥　大将(おおしょう)

俺は健全な相談役だ！

松彦　星

へーやっぱり狙ってたのか。
あんないかにも何も考えてなさそうな態度とっといてよ

松彦　星

すっかり狙い通りのポジションについたな？

白鳥　大将(おおしょう)

そうだな

松彦　星

しかも、琴が惚れてんのは肉親だもんな？
勝ち目しかない。
つまり…

白鳥　大将(おおしょう)

勝てる試合だから固執してる？

松彦　星

だろ？

白鳥　大将(おおしょう)

あー、そうだったのかもな。
…なんか少しすっきりした。

松彦　星

こじらせてんな

白鳥　大将(おおしょう)

でも、結局は琴って…

松彦　星

？

白鳥　大将(おおしょう)

可愛いよな

松彦　星

そこかよ！！

俺の異常なまでの執着心は、汚いものだった。それでも、その更に奥にあるのは

ただただ純粋に、可愛いものを可愛いと感じただけの小学生のままだ。

松彦　星

単純だな

松彦　星

でも、まあ…同意

白鳥　大将(おおしょう)

お前は、琴のことどう見てるんだ？
琴はずっとお前で苦しんでるんだぜ？

松彦　星

おーおー説教か？

白鳥　大将(おおしょう)

いいや
俺はそれで琴が悩んでるのを見るのも好きだからな

大将はもう、何かが吹っ切れたようだった。

松彦　星

きもちわる

白鳥　大将(おおしょう)

で？どうなんだ

松彦　星

（もう、なんか俺も…素直に話せばいいか）

松彦　星

俺も、琴のこと好きじゃねえよ

松彦　星

ただ、ずっと隣にいてほしいだけだ。

白鳥　大将(おおしょう)

家族として？それとも…

松彦　星

……全部

正直に言えば、道徳も倫理観も捨てて双子としても男女としても身も心も全部欲しい

白鳥　大将(おおしょう)

たちが悪いな。また琴が混乱すんだろ

松彦　星

しょうがないだろ？これが俺の正直な気持ちだ

松彦　星

それに、俺たちは双子だから…

白鳥　大将(おおしょう)

だから家族ごっこすんのか？

松彦　星

そんなわけないだろ。

白鳥　大将(おおしょう)

じゃあどうすんだよ

松彦　星

どうするのか……。

一人で考えていた時は、ここで思考が止まっていた。

ここから先は駄目だと、倫理観が邪魔をしていた。

でも、目の前のこいつを見て、俺の中での何かが崩れ始めた。

松彦　星

そうだな…

松彦　星

俺たちが二人っきりになっても誰も文句言わなくなるまで

松彦　星

囲っておく

松彦　星

そのために双子って肩書を利用する。

白鳥　大将(おおしょう)

そんなん何年先の話だよ！！スケールでけぇよ！！！

松彦　星

双子に生まれちまったからな。しゃーない

そうだ。そうすればいい。口に出してしまえばあっけないことだった。

白鳥　大将(おおしょう)

こわ。鳥肌もんだなこれ。俺のこと言えねーぞお前

松彦　星

お互い様だ

白鳥　大将(おおしょう)

これでよく好きじゃねーとか言えたな

松彦　星

お前と同じで、そんな綺麗じゃないからな

松彦　星

手に入れる為なら、琴の幸せも望まない

白鳥　大将(おおしょう)

そーだな。俺も

白鳥　大将(おおしょう)

さてと、じゃあ俺帰る

松彦　星

あぁ

二人は、お互いを見ることもなくそれぞれの帰路についたのだった。

一人になった帰り道

各々が虎視眈々とこれからについての考えを巡らせていた。

松彦　星

（囲うっつてもな…）

松彦　星

（俺は世間体から見ても、公に琴には近づけない）

松彦　星

（家族としてには限界がある…）

松彦　星

（なら、いっそ俺がコントロールできるやつを琴の側に置けばいいんじゃね？）

白鳥　大将(おおしょう)

（琴…今日も可愛かったな…。最近ちょっといい雰囲気だし）

白鳥　大将(おおしょう)

（でも、星がデートしたって話出しただけで直ぐ食いついたし）

白鳥　大将(おおしょう)

（まだ俺には向かないよな。なら…）

白鳥　大将(おおしょう)

（…それを餌に誘き寄せられんじゃねーか？）

白鳥　大将(おおしょう)

（星を好きなのはそのままでいい。でも公には俺と付き合うふりをしとけば周りに怪しまれずに済むとかなんとかいえば……。）

松彦　星

（……………。）

白鳥　大将(おおしょう)

（……………。）

『二人なら囲える』

松彦　星

アイツ使えるな

白鳥　大将(おおしょう)

アイツ使えるな

かくして、琴を歪ながらも想う二人の男達は、どこまでも考え方が同じなのであった。

一方その頃、琴は

織姫　琴

ふえぇ〜

織姫　琴

お風呂気持ち〜

対して何も考えていないのであった。

織姫　琴

星と大将、ほんとに2人で帰ったのかな？

織姫　琴

何話してるんだろう？

お前のことなのであった。

七夕未満な恋物語

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