黒夜
死にたい。
そういう彼女いや"彼"はいつも空を見上げて
黒夜
死にたい、変わることなく色づくこの空になりたい。
それが口癖だった
彼の友達はみんな止めてくれる。
白夜
居なくなったら、悲しい。
怜愛
居なくなったら、僕らに会えなくなっちゃう!
といつも説得してくれる。
その優しさが、彼を痛めつけている。
お母さんにも、お父さんにも、いや、簡単に言えば、家族にも、本当の自分を見せたことがない。
見せたいと思っても見せられない。
なぜなら彼はもう自分を失っていたのだ。
今回のお話は彼が自分を取り戻すお話だ。