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流星side
パーティーは問題なく進み、 次はスタッフさんたちがサプライズで用意してくれた スライドショーを流してくれるそう。
そこに映ったのは、大ちゃんがこれまでやってきた 仕事の数々。
Jr.時代から今まで... たくさんの写真が次々と流れてきた。
もちろん、僕との写真も。
入所した時。 僕と初めて会った時。 三人でグループを組んで、六人で番組をやって。 焼け野原って言われた時も 会場にお客さんが入るか心配だった時も 七人でグループを組んで、 デビューを目指した時も...
全部、全部傍にいてくれた。
大ちゃんのためのスライドショーなのに 必ずと言っていいほど、一緒に映る僕の存在。
僕の記憶を呼び起こしていく。
なんで...
丈
謙杜
道枝
流星
僕は気付かないうちに、無意識に涙を流していた。
大橋
恭平
流星
そう言いながらも...僕からの涙は 大ちゃんおめでとう、の嬉し涙ではなく
なんで、ここまで一緒に居たのに 隣に居るのが...僕じゃないの...?
大ちゃんの隣は僕なのに...。 なんで、あの女の人なの?
その悔しさと悲しさと 僕の情けなさからくるものだった
そして 次にスライドに映し出されたのは
丈
謙杜
アリーナツアー。Jr.での単独ライブをやらせてもらった時。 デビューも決まって、みんなで喜んで。
その年の夏。確かに...花火を見た気がするけど...
大橋
道枝
流星
確かに花火をバックに撮った写真に 僕は映っていなかった。
このJr.時代。 僕の大ちゃんへの想いは高まりを増すばかりの頃。 多分...大ちゃんも...そうであって欲しい。
花火大会なんて... 好きを伝えるのには絶好のチャンスだったのに。 その機会を逃すなんて...。
ガタンッ
流星
恭平
流星
そう言って僕はパーティー会場を出た。
トイレに行く途中にあった、小さな控え室に入る僕。 ポケットの中には、ティッシュに包まれた、クッキー。
ポルボロン...ポルボロン...ポルボロン...
さっきの、写真。 僕の映ってなかった、花火大会の日に。
僕を... 戻してください。