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紅都
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紅都
紅都
紅都
秋が深まる頃、山間の小さな町にある “有明月神社”では
一つの風鈴が、静かに風の中で揺れていた
その鈴は、ただの装飾ではない
それは“未来の音”を告げる神具
古より伝わる予言の風鈴で、世界の境を見守る 祈りと封じの象徴だった
その風鈴を守るのは────
紅都
一人の獣人の少年──鈴守
人間界の学校では穏やかに振る舞いながらも 彼は人間達との距離を慎重に保っていた
笑っていても誰にも近づかせない“音のない場所”がある
だがそんなある秋の日
鈴の音が異なる音を鳴らす
この音は、未来が揺らぐ前兆
鈴が変われば、世界が変わる
その日から、静かだった彼の時間は少しずつ軋み始め やがて一つの“出会い”が閉ざされた心をノックする
これは──
未来を知らぬ鈴守が誰かと心を通わせていく物語
そして、信じると言う祈りを、初めて月に捧げるまでの物語