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〜翌日〜
私はいつもの席に座っている白川さんを見つけ、向かいの椅子に座る。
参考書を開いたけど、ページの文字がうまく頭に入ってこない。
理由はわかっている。
初めて白川さんと一緒に勉強しているから
白川さんは、昨日とは違い読書ではなく理系の参考書を眺めながらひたすら問題を解いている。
ページをめくる音や文字を書く音すら静かな彼女
クラスメイトのほとんどが彼女に話しかけられない。皆んな本当は話しけかたがっているのに
いわゆる高嶺の花というやつだ
だけど、私は知っている。
その冷たい表情の裏に、ふとした瞬間に見せる微笑みと温かな眼差しを
白川
声がして顔を上げると、白川さんが心配そうに顔を覗き込んでいた。
心臓が跳ねた
高瀬 澪
高瀬 澪
白川
高瀬 澪
そう言って、彼女は私のノートをそっとのぞき込んだ
白川
すぐに見抜かれて驚きと共に少し照れ臭くなった
高瀬 澪
高瀬 澪
高瀬 澪
白川
高瀬 澪
高瀬 澪
そう言うと、白川さんは小さく笑った。
いつもの春の光みたいに温かくてやわらかい笑顔
同じ空気の中で鉛筆の音を重ねていると、不思議と心がほどけていくのを感じた。
その日、図書室を出るとき。 高瀬さんはふと立ち止まって言った。
高瀬 澪
私はうなずいて、高瀬さんに差し出した
高瀬 澪
白川
高瀬 澪
白川
本のページが、一枚ずつめくれるように。 私たちの距離も、ほんの少しずつ近づいていく