青兎
雀の鳴き声で目を覚ます。
針は午前10時を指しているが、今日は休日だから問題は無い。
青兎
呑気にあくびをしながらベッドを降り、リビングへ向かう。
青兎
寂しくなりながら昼ごはんか夜ご飯か曖昧なトーストをかじった。
夜
朝
昼
夜
朝
昼
夜
朝
青兎
あの日感じた悪寒が蘇ってくる。
階段を上る。
青兎
青兎
そう言い聞かせながら、汗ばんだ手で3日間触れていなかった母の部屋のドアノブを握る。
ガチャ
キィ…
開け放つと
そこには何も無かった。
母と一緒に選んだ本棚も
服が沢山詰め込まれたクローゼットも
幼い頃から憧れていた年季の入った机も
全て無くなっていた。
空っぽの部屋に「お前は捨てられたんだ。」と言われているようで
無性に腹が立って
だけどとても悲しくて
虚しくて
目から溢れ出す涙を止めることができなかった。
認めたくなかった。
青兎
青兎
青兎
悲しみよりも苛立ちの方が大きくなって
母を責めた
自分を責めた
どうして
どうしてどうして
どうしてどうしてどうして!!!
情けなく地面に座り込み、しばらくの間泣き続けた。
何も考える気力がない。
途方に暮れる僕に、母の部屋だった場所は別れを告げた。
コメント
1件
いいねくださった方ありがとうございます!!とても嬉しいです😭