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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 年齢操作注意⚠️ 兄弟パロ注意⚠️ 関東組虐められ注意⚠️
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第20話 癒えぬ傷
職員室の空気は重かった。
教師たちが対応を話し合う中、椅子に座ったらんとなつ、すちは、互いの傷を確かめ合うように視線を交わしていた。
服の袖口は擦り切れ、膝には赤黒い痕が浮かんでいる。
なつの手の甲には爪で引っかかれた跡、すちの頬には殴られた後の赤みが残っていた。
らんの腕には――薄い線状の傷が走っていた。
カッターの刃先がかすめた跡だ。
一人の教師が静かに告げる。
らんは小さく頷き、弟たちを促して立ち上がった。
いるま、みこと、こさめが無言でその背中を支えるように並ぶ。
保健室は静かだった。
カーテン越しに差し込む街灯の光が、薄青い影を床に落としている。
当直の養護教諭がすぐに駆け寄り、三人をベッドに座らせた。
なつ
すち
冷たい消毒液が肌に触れるたび、なつが小さく顔をしかめる。
らんは黙って腕を差し出す。
刃物の跡に白いガーゼが当てられ、テープで固定される。
その様子を見ていたなつとすちの目に、涙がにじんだ。
なつ
なつが絞り出すように呼びかける。
らん
らんは、痛みよりも弟たちの不安を抑えたい一心で、短く答える。
処置が終わると、三人は少しだけ安堵の表情を見せた。
いるまが近づき、ぽんとらんの肩を叩いた。
いるま
それだけを言って、深く息を吐く。
らんは短く頷き、軽く笑ってみせたが、その笑みの奥にはまだ痛みが残っていた。
日曜日の午後。
学校の一室に、らん達兄弟といるま、みこと、こさめが集められていた。
静かな部屋の戸が開く。
入ってきたのは、昨日のいじめに関わった生徒の親たちだった。
険しい顔で立ち尽くした彼らは、教師に促されて深々と頭を下げる。
低くかすれた声。
その後ろに控える子どもたちは、俯いたまま顔を上げられない。
机の上には、いくつかの箱が置かれた。
菓子折り。
親たちが持参した「お詫び」の形だった。
なつとすちは目を丸くしてそれを見たが、らんは視線を逸らさずに親たちを見つめた。
らん
らんははっきりと口を開いた。
その声は丁寧で穏やかだったが、瞳の奥は鋭く光っていた。
らん
らんは袖をまくり、ガーゼの下から覗く腕の傷を見せる。
同時に、なつの震える手と、すちの青ざめた頬に目をやる。
らん
一瞬、部屋の空気が凍りついた。
らんは、それでも微笑んで言葉を続けた。
らん
らん
静寂。
親たちは言葉を失い、深く頭を下げ直した。
俯いたままの加害生徒たちの肩が、小さく震えているのが見えた。
帰り道。
夕陽に染まる校庭を歩きながら、なつがぽつりと呟いた。
なつ
すちも頷き、笑みを浮かべる。
すち
らん
らんは首を横に振る。
らん
その言葉に、弟たちは胸が熱くなり、同時に笑顔を見せた。
背後では、いるま、みこと、こさめが並んで歩いていた。
いるまは少しだけ口元を上げ、声をかける。
いるま
その声に、らんは小さく頷いた。
けれど、腕に巻かれたガーゼの下の痛みと、胸の奥に残るざらつきは消えてはいない。
まだ、傷は癒えていない。
だが確かに――歩き出すための道が見えていた。
第20話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡210
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コメント
2件
早くらんくんたちが心から幸せと思える日が来るといいな(*´ω`*) ていうからんくんたちのこと散々いじめてきたのにお詫びが菓子袋!? それで許せて、大人顔負けのセリフ言えるとからんくんかっこいい✨️