主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 年齢操作注意⚠️ 兄弟パロ注意⚠️
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第21話 初めての約束
学校の空気は、少しずつ変わり始めていた。
あの日、証拠映像を教師に見せてから、あからさまな暴力も、陰湿な嫌がらせも――ぴたりと止んだ。
職員室での謝罪、保護者の介入。
すべてが現実の出来事であり、らん達が背負ってきた重荷はようやく外へと曝け出されたのだ。
らんといるまは中学校に上がっても同じクラスで、時折いじめっ子を見かけることはあったが、何も言われなくなった。
ある日の朝。
教室のドアを開ける瞬間、らんの胸はいつものように緊張で固まった。
だが、中から浴びせられたのは、冷たい視線でも嘲笑でもない。
ただの「日常のざわめき」だった。
机に座り、教科書を開く。
背後から飛んでくる悪意は、もうなかった。
らん
小さく息を吐いた瞬間、自分でも驚くほど肩が軽くなっていることに気づく。
隣の席の生徒が、何気なくノートを貸してくれた。
これまでなら絶対になかった些細なやり取りに、らんはぎこちなく笑って「ありがとう」と返した。
一方、弟たちもまた同じだった。
なつ
なつ
なつは別のクラスで、昼休みに友達とゲームの話をしている。
以前なら、輪に入ることさえ恐れていたのに、今は普通に笑えていた。
すち
すちも、図工の授業で描いた絵を褒められ、照れくさそうに笑っていた。
なつ
帰り道、なつがはしゃいだ声で言う。
らんは少し驚き、けれど本当に――自分の口元が緩んでいることに気づいた。
らん
短く返す声に、自然な温度が宿っていた。
夕方、六人は机を囲み、それぞれの課題を広げる。
らん
らんが苦笑しながら数学の問題集を差し出す。
いるまは呆れ顔をしながらも、赤ペンを手に取った。
いるま
いるま
らん
いるま
いるま
そのやり取りに、みこととこさめは肩を揺らして笑う。
なつとすちもつられて笑い、空気は以前よりずっと柔らかかった。
机に並ぶノートとシャーペンや鉛筆。
ごく普通の光景なのに、らんにはそれが奇跡のように思えた。
そんな穏やかな時間の中で、いるまがふいに顔を上げた。
いるま
らん
いるま
その一言に、空気が少し変わった。
なつ
すち
みこと
こさめ
だが、らんだけがぽかんと口を開けたまま、返事を失っていた。
らん
ぽつりと呟いた声は、信じられないものを聞いた子どものようだった。
いるま
いるまが呆れ半分、苦笑半分で肩をすくめる。
いるま
らんは頬を赤くし、視線を泳がせた。
思い返してみても――記憶にない。
家族で出かけることも、友達とどこかへ行くことも。
いつも、暴力と恐怖の中に押し込められていた。
「遊びに行く」という当たり前の提案が、らんには未知の世界の話のように響いた。
らん
なつ
らん
正直に答えると、机の向こうでいるまが大げさにため息をついた。
いるま
わざとらしく頭をかきながらも、口元には笑みが浮かんでいる。
いるま
いるま
らん
らんの声は、夢を聞かされたみたいに揺れていた。
いるま
いるま
らん
いるま
その瞬間、らんの瞳がぱっと輝いた。
子どもみたいに無邪気な笑顔が浮かび、言葉が零れる。
らん
らん
なつ
なつ
すち
弟たちも負けじと声を重ねる。
みこととこさめも嬉しそうに頷き、いるまは「はいはい」と手を振って笑った。
何でもない会話。
でも、らんにとっては人生で初めての「遊びの約束」だった。
胸の奥に、温かいものが広がっていく。
その夜。
布団に横たわっても、らんの胸は静かに高鳴っていた。
暴力に怯え、逃げ場のない日々を過ごしてきた自分が――家族と一緒に遊園地へ行く。
想像するだけで、頬が熱くなる。
ガーゼの下の傷跡はまだ痛む。
心の奥には、消えない影も残っている。
けれど――確かに今、らんは未来を思い描いていた。
壊れたガラスの破片を拾い集めるように、少しずつ。
その先に、光を見つけようとしていた。
第21話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡220
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