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3 - あの悪夢を見た気がする 後編(最終回)

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2020年05月06日

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雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

みい、涙おっはー♪

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

ユッキーおっはー!

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

叶菜おはよ

今日も誰一人欠けてない。

いつもと変わらない日常。

いじめも無い、 すっごく平和なクラスだ。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

ねーねー、

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

ん?どうしたユッキー?

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あの席、なんで置いてあるんだろうね?

そう言って、 誰も座ってない席を指さす。

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

それなー

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

なんでだろうねー

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

正直、要らなくない?

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

ホント誰のだし…

キーンコーンカーンコーン

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あ、チャイムだ

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

座ろ座ろ!

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

じゃーね!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

バイバイ!

そう言って2人と別れ、 自分の席に着いた。

そして、 何も無かったかのように 振舞っていた。

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

そうそう!これね!

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

へー…これ流行ってたんだ。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あー、それ買いたいんだけどなー……

放課後、私達は流行の話をしながら家に帰っていた。

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

んー…

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

俺さ、これ欲しいんだよね……

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

え?!いがーい!

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

そうか?

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

そうだねー確かに

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

えー…俺こーゆーのめっちゃ持ってるよ?

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

うっそー!

特に変わったことがない、 普通の会話。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あ、ごめん!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

私今日寄る所あるから……

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

あ、マジ?

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

あー……

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

ごめんね!

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

いいよいいよ!

葉山 美衣沙(ハヤマ ミイサ)

じゃーねユッキー!

鹿山 涙(カヤマ ルイ)

じゃーなー!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

また明日!

私は嘘をついて、2人から 離れた。

特に変わったことがない 私が、

あの2人に嘘をついてまで行った所は

中学校の時、

もう会うことが出来なくなってしまった幼馴染と よく行った、

とある水族館だった。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

……ここ、変わってないな。

ここの水族館は、その幼馴染が亡くなってから

しばらく行っていなかった。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あ、この子……

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

親になったんだ……

ちょっとした変化に 新鮮な気持ちになりながら 建物内をまわって行った。

そして…

私は、あの子が好きだった 巨大水槽のところに来た。

1番売りにしているだけあって、人は多めだった。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

…………

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あの子がいたら、

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

また…一緒に見れたのに…

蒼い水槽の中を悠々と泳ぐ ジンベエザメを見ながら、

私は 中学生時代を思い出していた。

中学生時代

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

おはよう!奏澄(カスミ)!

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

おはよう、叶菜ちゃん

私は幼馴染の奏澄と、 中学校の入学式に来た。

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

もう私達、中学生になるんだね。

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

なんか…実感はわかないけど…

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

そうだねw

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

あと……

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

知ってる人があんまり居ないのって、

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

ちょっと怖いね…

ちなみに、 私と奏澄はどっちも父の転勤で

慣れ親しんだ土地を離れ、

『あいつ』が居る 中学校に行くことになったのだ。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

そうだね……

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

でも叶菜ちゃんがいるから大丈夫かなw

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

私も奏澄がいるからいいやw

こうして、私と奏澄は 中学校生活をスタートさせた。

でも…

幸せな学校生活なんて、

送れなかった。

そう……

『あいつ』 の せいで…

私と奏澄は別々のクラスになってしまったが、

それぞれ上手くやっていけそうな感じがした。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

(奏澄とは廊下とかで話せるから…)

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

(話したい時は奏澄を呼んで廊下で話せばいいかな。)

それから時は経って、

1年生も部活が始まる時期になっていた。

私は吹奏楽部を選んだが、

奏澄は意外にもテニス部を選んだ。

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

実はテニスが好きでね……

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

え、そうだったんだ!

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

えへへ♪

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あ、ごめん!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

そろそろ私行くね!

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

いいよいいよ、

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

頑張ってねー!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

頑張るー!

そして、私は

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

こんにちわ!

先輩

あ、こんにちわ!

先輩

えーっと、

先輩

ここ座ってくださーい

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

はい!ありがとうございます!

ついに『あの人』と…

???

こんにちわ!

先輩

こんにちわ!

先輩

じゃあ、あの子の隣座ってくださーい

???

分かりました!

『あの人』 と 初めて会った。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

(わー…)

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

(なんか気が強そう…)

当時、名前が分からなかった彼女は、

凄く気が強そうだった。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

………あ、あの

???

ん?はい。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

わ、私、

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

雪村 叶菜です!

???

雪村 叶菜……

???

あ!転校生の人か!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

はい!そうです!

???

あ、初めまして!

鈴鹿 弥音(スズカ ネネ)

私は鈴鹿 弥音です!

鈴鹿 弥音(スズカ ネネ)

あと…

鈴鹿 弥音(スズカ ネネ)

友達になってください!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

え?!いいんですか?

鈴鹿 弥音(スズカ ネネ)

いいですよ!

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

じゃあ…

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

よろしくお願いします!

こうして、突然だけど 彼女と友達になった。

最初はとてもいい子だと思っていた。

最初だけは……

休日、私が部屋でゴロゴロしていると

奏澄からRAINが来た。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

お?奏澄…?

通知をタップして、RAINを開くと……

すみか*。

叶菜ちゃん…

すみか*。

今、大丈夫?

ⓚⓐⓝⓝⓐ

いいよ!

すみか*。

ちょっと長くなるけど…

すみか*。

ありがとう

ⓚⓐⓝⓝⓐ

いいよいいよ!

ⓚⓐⓝⓝⓐ

話って?

すみか*。

あのね

すみか*。

私ね

すみか*。

多分いじめられてると思うの

ⓚⓐⓝⓝⓐ

え?

すみか*。

あのね……

この後 奏澄から

色んな人に 水をかけられたり、 蹴られたりされてる事を 聞いた。

そして主犯は

『鈴鹿弥音』である事も…

私はこの時から

『鈴鹿 弥音』 を 『敵』 として認識する事にした。

……………

…でも簡単に

『友達』って手放せないものだね。

私は中学生の間だけでも 鈴鹿弥音の『友達』 を演じようと思っていた。

一応、鈴鹿弥音の『友達』 を演じることは

奏澄にも伝えた。

だから…

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

いった…

鈴鹿 弥音(スズカ ネネ)

あ、ごめんねぇwwww

鈴鹿 弥音(スズカ ネネ)

存在感薄いから気づかなかったぁwwww

早川 奏澄(ハヤカワ カスミ)

………………

こんな所を見ても、 助けたい気持ちをねじ伏せていた。

毎日毎日、

毎日毎日毎日毎日、

頼りにならない 先生達を睨みながら、

演じてきた。

あいつの『友達』を。

でも、劇の途中で

ハプニングが起きてしまった。

何故かは……分かるよね。

私は彼女の死を知って、

すごく泣いた。

私が泣くのは… ちょっと…………ね、

あんまり………

でも、本当に悲しかった。

私は思わずRAINを開くと

ⓚⓐⓝⓝⓐ

ねえ

ⓚⓐⓝⓝⓐ

奏澄

ⓚⓐⓝⓝⓐ

死んでなんかないよね

ⓚⓐⓝⓝⓐ

嘘だよね?

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

ⓚⓐⓝⓝⓐ

ねえ

ⓚⓐⓝⓝⓐ

でてよ

ⓚⓐⓝⓝⓐ

おねがい

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

ⓚⓐⓝⓝⓐ

謝らせてよ

ⓚⓐⓝⓝⓐ

これで済むことじゃないけど

ⓚⓐⓝⓝⓐ

お願い

ⓚⓐⓝⓝⓐ

お願い…

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

ⓚⓐⓝⓝⓐ

不在着信

不在着信

狂ってた。

本当に狂ってた。

だけど、演じる事をやめることが出来なかった。

だって…幕はまだ降りていないんだから。

そこで私は、復讐の決意をした。

奏澄が喜ぶかは分からないけど。

皆に隠れて計画を立てて、

完成する頃には、高校生になっていた。

そして美衣沙や涙を使って

あいつに復讐した。

そしてつい先日

その復讐は終わった。

だけど、

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

……まだ、

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

まだ1つ、終わっていない事がある。

私は決意をしたように、 巨大な水槽から足早に離れていった。

場所も決めた。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

私は、

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あのジンベエザメが好き。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

あんな感じで泳ぎたい。

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

…息絶えるまで

もう、足は止まることを 忘れていた。

私は歩いた。

ジンベエザメみたいに

悠々と

泳げるような場所に。

私は青信号の横断歩道を渡り、

すぐ近くまで来た。

蒼く広い海を見て、

私はため息を着くと

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

……いくら復讐でも

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

こんな酷い事したら

雪村 叶菜(ユキムラ カンナ)

人間失格だよ……

私は残ることの無い遺言を残し、

そのまま

笑顔で

この世からバイバイした。

「あの悪夢を見た気がする」

……この復讐は、

鈴鹿弥音への復讐では 無かったのかもしれませんね。

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