クラスメイトであった 山内 桜良の通夜にも 葬儀にも
僕は出なかった。
僕は自室にこもり 彼女に借りた本を 読んでいた。
ヴーッ ヴーッ ヴーッ
〇〇なクラスメイトくん
お母さん
炊いといてくれない?
〇〇なクラスメイトくん
わかった
〇〇なクラスメイトくん
君に最後に送ったメール
君は見たんだろうか
たった 一言のメール
『君の膵臓をたべたい』
第1話 【地味なクラスメイト】
彼女は クラスの誰からも 愛されていた
男子
がたん ドンッ
〇〇なクラスメイトくん
僕と彼女に 接点は無かった
強いて言えば 『クラスメイト』
それぐらい。
僕は人に 興味が無かったし
多分クラスの皆も 僕の事には 興味ないだろう。
図書室
これが僕の普通
そしてそれは
これからも続くと
ガラッ!
・・・思っていたのだが…
山内 桜良
くれてもいいのに!
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
時間になったら来ると思って
山内 桜良
つれないなぁ…
山内 桜良
これ片付けるのね!
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
・・・僕に言ってるのか
〇〇なクラスメイトくん
にでも目覚めたの?
山内 桜良
山内 桜良
悪い所があると
山内 桜良
食べたんだって
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
肝臓を食べて
山内 桜良
胃を食べてって
山内 桜良
信じられてたらしいよ
山内 桜良
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
僕のこと?
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
君を救うなんていう
〇〇なクラスメイトくん
られないな
〇〇なクラスメイトくん
肝臓を必要としてるって
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
知らないんでしょうに~
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
調べたりしたの?
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
調整役だ。
〇〇なクラスメイトくん
変えるために
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
人はエネルギーを
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
ご馳走する事は
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
山内 桜良
山内 桜良
クラスメイト】くんも
山内 桜良
持ってくれてるんだねぇ
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
クラスメイトなんて
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
私っていう人間には?
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
そう、僕は秘密を知ってる
彼女の唯一の クラスメイト
あれはまだ遅咲きの桜が 咲いていた時期
病院
〇〇なクラスメイトくん
痛くないんだなぁ…))
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
ペラッ
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
と言うか手書きだし…))
〇〇なクラスメイトくん
本日から共病文庫と名付けたこれに 日々の想いや行動を 書いていこうと思う。
家族以外の誰にも 言わないけれど私は あと数年で死んじゃう。
それを受け止めて 病気と一緒に 生きるために書く。
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
まず私が罹った膵臓の病気って言うのは ちょっと前まで判明した時には ほとんどの人がすぐ 死んじゃう病気の王様だった。
今は症状も ほとんど出なくなってきて…
山内 桜良
山内 桜良
この人 確か……
山内 桜良
どうして病院に?
〇〇なクラスメイトくん
したんだけどね
〇〇なクラスメイトくん
僕は何も見ていない そうだ、知らないフリを・・・
山内 桜良
私は膵臓の検査にね
山内 桜良
死んじゃうから
なん…だと…
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
え
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
冗談なのか?
山内 桜良
山内 桜良
大慌てで探しに来たら
山内 桜良
が持ってるんだもん(笑)
あれ? 会話がそのまま流れたぞ?
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
山内 桜良
奴だって思われてんの私w
山内 桜良
山内 桜良
あとちょっとで死にます。
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
クラスメイトに
〇〇なクラスメイトくん
なんて言えばいいの?
山内 桜良
私なら言葉 失うな
〇〇なクラスメイトくん
しなかっただけでも
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
((クスクス
何が面白いんだ…
山内 桜良
クラスで言わないでね
これが 山内 桜良との 初めての会話
次の日 学校
山内 桜良
山内 桜良
クラスメイト】くん!
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
図書委員 私もなるから!
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
そしてその結果が 今なのだが…
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
図書室の片付けなんかに
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
帰り
山内 桜良
わかんなくもないけどさ
山内 桜良
クラスメイト】くんにも
山内 桜良
あるでしょう?
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
それをやってないじゃん
山内 桜良
明日死ぬかもしれないのにさ
山内 桜良
私も君も変わんないよ
山内 桜良
全部一緒なんだから
山内 桜良
楽しかったよ
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
山内 桜良
男子
桜良~
タッタッタッ
山内 桜良
クラスメイト】くんを
山内 桜良
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
友達ができないんだよー
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
余計なお世話だよ
山内 桜良
〇〇なクラスメイトくん
じゃあね
山内 桜良
山内 桜良
お昼11時に駅前集合ね!
ピタッ
〇〇なクラスメイトくん
山内 桜良
日曜 あいてない?
〇〇なクラスメイトくん
彼女とデートの約束が…
山内 桜良
山内 桜良
山内 桜良
ちゃんとつけとくから!
彼女は あと何度 この道を歩けるのだろうか
僕は少しだけ日曜日に 出かけるかどうかを
前向きに 考える気になった。
第1話 終わり






