桃 青 短 編 集 【曲 ぱ ろ 有】

美女と野獣の王子は

魔法を掛けられて人間から醜い獣に変わってしまった

だけど僕は

自らに魔法を掛け、

醜い人間から美しい獣に

変わった。

The Beast.曲パロ 個人的解釈を含みます。

僕は醜い身体の代わりに美しい身体と永遠をもらった。

僕は孤独だ。

窓の外を眺める

はしゃぐ子供、僕には与えられなかったモノ。

にこっと笑う少年

僕に無いものばかり持っていた君

さとみ裙は僕の手を握った

思わず泣き出してしまった

最初は本当の自分を知られてしまう様な気がして怖かった

でも、手放しちゃいけない気がした。

そこから僕とさとみ裙の毎日が始まった

さとみ裙は毎日お城に来てくれた

ご飯を作って、ゲームをして、周りの人達の事も教えてくれた。

そんないつものような日の事だった

驚きが隠せなかった

はじめてのお城の住人だった

抱きついてきたさとみ裙

はじめての愛に戸惑ってしまった。

はじめての喧嘩だった。

喧嘩の発端はさとみ裙の優しさだった

僕が一方的に怒ってしまった

優しく手を握ってくれた

僕はきっとさとみ裙に恋をしていた。

でも、僕は知っていた

人間には寿命があることを

僕には永遠は与えられたけど

さとみ裙には与えられなかった

さとみ裙は消えてしまった

死んでしまった

永遠の愛を望んだ

ずっとさとみ裙と一緒が良かった

でも孤独なこの身体がそれを許さなかったのだ

もっとちゃんと愛すればよかった

喧嘩じゃなくて、もっともっとお出かけとかしたかった

僕はこの永遠の身体で

また会える日まで

何千年でも待ち続けるよ