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藍翠 瑠蒼
コメント
1件
リオンだよ。今回のエピソード、めちゃくちゃ心に来た……。雨の中、震えながら「たすけて」って言うあめちゃん(こさめ)が切なくて、なつくんが本名を呼んで受け止めたシーン、本当に温かかった。名前を繰り返すたびに彼女がほどけていく感じが、すごく丁寧に描かれてた。終電逃して泊まる流れも自然で、二人の距離が確実に縮まったのが伝わってくる。合鍵の提案、なつくんの覚悟が感じられてグッときたよ。
4月
まだ遠いけど
梅雨という季節に近づくごとに
確実に雨が降る日は多くなっていった
暇 懐
傘を忘れた俺は
暗くなった空の下雨に濡れながら家まで走る
雷の音も鳴り響き
辺りは真っ暗
どこか不気味な雰囲気の下を、とにかく走り続けた
家に着いた頃には
全身びしょ濡れ
シャツが肌に張り付く感覚が気持ち悪かった
急いでシャワー浴びないとな、とか
何で傘持ってこなかったんだろ俺、とか
そんな小さな後悔をしつつ自分の家の階まで上がる
暇 懐
けど…
自分の部屋の前に行くと
そこには、そんな思考たちを吹き飛ばすような光景があった
Ame?
制服姿で俺ん家のドアに寄りかかり
その場に座り込んで、俯いている
暇 懐
驚いて
急いで近寄って声をかけると
Ame?
その背中が、震えていることに気づいた
暇 懐
暇 懐
もう一度
落ち着かせるように名前を呼ぶと
俯いていた顔は、静かにこちらをみる
Ame?
暇 懐
その顔はいつものような明るさを帯びていなかった
暗くて、疲れたような…そんな顔をしていて
頬には、涙の伝った跡があった
Ame?
Ame?
微かに掠れた声が
小さく…弱々しく
俺に助けを求めた
家の中に上げて
シャワーを浴び、お互い落ち着いてから
2人揃ってソファーへと座り込んだ
暇 懐
Ame?
あめはまだ俯き、項垂れている
暇 懐
暇 懐
Ame?
こくりと、一度頷く
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
こちらを向いて
再び涙を目に浮かべるあめを見て
俺は…居た堪れない気持ちになった
出会った、あの日みたいだ
もしかしたら彼女は今日も…
消えようとしていたのかもしれない
俺がもし帰ってこなかったら
帰ってくるのが少しでも遅かったら
そう考えただけで、怖くなる
暇 懐
Ame?
Ameという存在はきっと
簡単に、消えてしまう
何もなかったかのように…儚く散る
だから…俺がやるべきことは
暇 懐
暇 懐
Ame?
その本当の存在を、
認めてあげることだと思った
Ame?
Ame?
Ame?
暇 懐
Ame?
Ame?
事情を話すと
あめは納得したように頷いた
どうやらすちさんはあめの
心配をかけたくない、大切な友達らしい
いつも自分のことを気にしてくれるのだと
少しだけ嬉しそうに語ってくれた
Ame?
暇 懐
あめは少し間を置いてから
決心したように、俺の手を軽く握る
そして…優しく笑った
Ame?
雨乃 こさめ
暇 懐
やっと…
やっと、その心の内に
少しだけ、触れられた気がした
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
暇 懐
雨乃 こさめ
俺は小さな手を握り返して
彼女が望む限り何度も
何度も…頭の中でなぞっていた名前を口にする
暇 懐
雨乃 こさめ
呼ぶたびに
水色の瞳が細められて
幸せそうな顔をする
繋ぎ止められているような
そんな気がしてしまう
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
暇 懐
雨乃 こさめ
そんなことを言うもんだから、
ほのかにあった想いは
確実に大きくなっていく
暇 懐
暇 懐
暇 懐
短い間だけど
今まで一緒に過ごした日々が
どれだけ…楽しかったか
俺は初めて誰かを
目の前にいるこの子を…
心から、守りたいと思った
夜も遅くて
気づいたら終電もないくらいの時間になっていたから
こさめは…家に泊まっていくことになった
灯を消して、俺はソファーに横たわり
こさめは俺のベットに横たわる
雨乃 こさめ
暇 懐
暇 懐
暇 懐
雨乃 こさめ
暇 懐
暇 懐
雨乃 こさめ
電気を消して暗くなった部屋の中
暫く、2人で話していた
暇 懐
雨乃 こさめ
暇 懐
暇 懐
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
暇 懐
暇 懐
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
暇 懐
短い会話を繰り返して
お互いが寝落ちるまで、話し続ける
やがて…眠くなってきて
ぼんやりとした頭のまま
俺は呟いた
暇 懐
雨乃 こさめ
暇 懐
暇 懐
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
重いとか
自然とそんなことは考えなかった
ただこさめが生きていてくれるなら、それでいいと思った
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
雨乃 こさめ
暇 懐
雨乃 こさめ
暇 懐
雨乃 こさめ
暇 懐
雨乃 こさめ
むしろ好きな人
今俺のベッドで寝てるんですけど
……
なんてまぁ、言えるわけもなく
何かが解けていった夜は
ただ静かに…暖かさを帯びて
ゆっくりと過ぎていった