西暦2034年7月
……
男は本を撫でながら考えていた
(オレも歳をとったもんだ…)
(同じぐらいの年の本も少なくないな……)
そして思い付いた
(そうだ、昔の日記を書こう!)
(そしてそれを本にしよう)
思い付いたらすぐに行動
男は本のある部屋から出た
あ、おじいちゃん!ただいま!
おぉ、帰って来たのか。おかえり
まぁーた本読んでたの?
あぁ、そうだな
瑠露ぅー?
リビングから女の人の声が
くぅちゃんが散歩行きたいって!
もう?私帰ってきたばっか!
ランドセル置いてすぐ行きなさい
くぅちゃんがリードを持ってきて急かしてるの!
お母さん夕飯の支度しなきゃ
るーちゃん行ってきなさい、ランドセルを部屋に置いてきてあげよう
おじいちゃん、いいの?
ありがとう!
女の子はすぐにランドセルを男に渡し、飛び出して行った
(元気だな)
男は階段を登り、左側の部屋にランドセルを置くと奥の部屋に入っていった
(さぁーて、どっから書こうか…)
(そもそもことの始まりは…)
あの日からか…
初めて出会ったあの日…
いや、もっと前からだな
私達が…生まれる前から