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黒猫はなびいてくれない

第1話 - 第1話

2025年02月28日

#ハイキュー

#黒尾鉄朗

#夢小説

take it🍒📐

音成〇〇

今日からお隣、だね？

黒尾鉄朗

…そー、すね。

新連載『黒猫はなびいてくれない』

ー PROFILE ー

音成〇〇

音成〇〇(おとなり〇〇)
身長 159センチ
体重 47キロ
部活なし
アルバイト洋菓子店

ー特徴ー
勉強だって運動だってメイクだってダイエットだって、なんだって自分磨きを欠かさないストイックな女の子
「白雪姫」の女王に憧れている。

これは、アタシが黒尾くんを落とすまでのお話

2010年 4月

私は入学式で、黒尾鉄朗に一目惚れした

校長

以上を持ちまして、平成22年度入学式を終わります。

校長

保護者の方は──

音成〇〇

(…今日からアタシ、高校生なんだ)

音成〇〇

(やること全部やってきた。高校デビュー、絶対成功させる！)

校長

──では新入生の皆さん、退場してください

ざわざわ…

音成〇〇

(入学式が終わったばっかってのに、教室がザワついてる)

音成〇〇

(アタシ、馴染めるかな…)

ダンッ

音成〇〇

(えっなに急に机叩いてきた！？)

佐原愛美瑠

んねっ、アンタぼっち？

音成〇〇

ぼ、ぼ…！！？

音成〇〇

違う、別にぼっちじゃない

佐原愛美瑠

あっそ！

佐原愛美瑠

じゃっ、あーしとダチなろ？

音成〇〇

…？？？

音成〇〇

…アンタ誰？

佐原愛美瑠

アッ！そーじゃん！！

佐原愛美瑠

名前いうの忘れとった！まぢあーしそーゆーとこww

音成〇〇

は、はあ。

佐原愛美瑠

あーメンゴ。あーしすぐ話脱線させるクセあんの！

金髪に、ピンクのメッシュがかかっているサイドテールの女の子。

長いツメ、ヒョウ柄のシュシュ、そして、バサバサと束に重ねているつけま。

この子は、いわゆるギャルだ。

佐原愛美瑠

あーし、佐原愛美瑠！

佐原愛美瑠

愛に～、美しいに～、瑠璃色の瑠でえみる！！

音成〇〇

…ぽい。

佐原愛美瑠

っしょ！？あーし生まれながらのギャルだから！しかもサラブレッド☆

佐原愛美瑠

って、あーしのことは良いんだった！！

佐原愛美瑠

アンタ、名前なに？

音成〇〇

音成、〇〇。

佐原愛美瑠

おと、なり？…お隣？

音成〇〇

違う。音楽の音に、成功の成でお・と・な・り

佐原愛美瑠

あーん……？

佐原愛美瑠

あーね！おk！

佐原愛美瑠

んじゃ、なりぽよね！

音成〇〇

…なり、ぽよ？？

佐原愛美瑠

ん！あーしがナウで考えたアンタのあだ名！

音成〇〇

……。

佐原愛美瑠

え、ヤだった？じゃあなりちゃむ？いや、なりめろかな……。

音成〇〇

…どっちも嫌だけど。

音成〇〇

まぁ、それでいいよ。

佐原愛美瑠

じゃあなりぽよ、これからよろぴっ☆

音成〇〇

あー、うん…

これは…

高校デビュー成功で…いいのかな…

佐原愛美瑠

んじゃなりぽよまた明日〜っ☆

音成〇〇

あーうんまたあした…

音成〇〇

(今日はどっと疲れた……)

音成〇〇

(多分ほぼ"アイツ"のせいだけど…。)

ミャーオ

音成〇〇

(…猫の、声？)

音成〇〇

(どこからだろう…)

ミャーオ…

音成〇〇

(…ここからだ)

音成〇〇

(…って──)

黒尾鉄朗

ニャンコ～…降りておいで

猫

ミャオ…

黒尾鉄朗

怖くないから、大丈夫だって…。

音成〇〇

(……)

ぽ〜〜〜…

音成〇〇

(……はっ。時間が止まったのかと思った)

黒髪、変な髪型、ツリ目でジト目で高身長で、ガタイが良くて…

それで、イケメン

音成〇〇

(か、かっこ…いい…)

その時アタシは、一目惚れってこういうことを言うんだろうなって思った。

猫

ビャッ！！

黒尾鉄朗

おわッ！？

ビーッ

黒尾鉄朗

ってぇ……つか、普通に降りれるじゃん…。

黒尾鉄朗

あー、猫に引っかかれた時はどうすれば良いんだっけ…？…ん？

チラッ

黒尾鉄朗

そこの…えー、女子！

音成〇〇

はひっ、わたっ、アタシ！？

黒尾鉄朗

君しかいないでしょ

黒尾鉄朗

なぁ、野良猫に引っかかれた時の応急処置とか…知らない？

音成〇〇

あっえっと…！

音成〇〇

(き、急に話しかけられてビックリするじゃん！！)

音成〇〇

(…声すらかっこいい)

音成〇〇

…あ、えと

音成〇〇

石けんでよく洗った方がいい、よ。

音成〇〇

そしたら消毒して、ガーゼで止血とかした方が…いいんじゃない。

黒尾鉄朗

石けんで洗ってから消毒ね、サンキュ！

音成〇〇

あっ、ガーゼは持ってないけどアタシ、絆創膏あるよ

黒尾鉄朗

え、マジ！？1枚貰っていい？

音成〇〇

もちろん…どうぞ。

黒尾鉄朗

…これで応急処置は大丈夫かな

黒尾鉄朗

ありがとう、助かったわ

音成〇〇

…うん。

黒尾鉄朗

名前なに？同じ1年だよな？

音成〇〇

えっなまえ！？

黒尾鉄朗

うん。確か同じクラスじゃなかったよな

音成〇〇

あ、うん、私3組だから。

音成〇〇

…音成、〇〇。

黒尾鉄朗

音成さんね。絆創膏、マジありがと。

黒尾鉄朗

貸しはいつか返す、じゃあな

音成〇〇

…うん

……

くっそいい男じゃねえか！

顔良し声良し態度良し！！

音成〇〇

(アタシ決めた)

音成〇〇

(アイツ、絶対落としてやる！！！)

──とは言ったものの

彼の名前は知らないし、クラスも分からない。

そんな状態でどうやってアイツを落とすの？

佐原愛美瑠

あ！！なりぽよオッハ～～んっ☆

音成〇〇

(コイツ…使える！！)

そんなこんなで彼の名前、クラス、部活は知ることができたけど…

関わりがない！！！

男を落とすには関わりが必須って、恋愛の本に書いてあったのに…！！

クラスも違えば部活も違う、委員会だって入ってないし…

音成〇〇

(アタシ…どう関わりを持ったらいいの？？)

音成〇〇

(いや、きっと大丈夫！！)

音成〇〇

(今のアタシはこんなに美しいんだから、自信持って話しかけたらイッパツよ！)

音成〇〇

(絶対、落としてみせる！)

そうして、一度も話しかけることも関わることも出来ずに3年生になってしまった。

音成〇〇

(…な・ん・でだよ！！！)

音成〇〇

(でも、今年は天が味方してくれたの)

音成〇〇

(なんてったって、今年は黒尾くんと「同じクラス」なんだからね！！)

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