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快斗
快斗
朝日で目を覚ました快斗は、腕の中の違和感に気づいた。
いつもの小さな猫の重みではない。もっと大きく、しなやかで、人間らしい温かさ。
快斗
ゆっくりと瞼を開け、そして、完全に思考が停止した。
快斗
そこにいたのは、すぅすぅと穏やかな寝息を立てる姿の__工藤新一。
快斗
快斗
そう思おうとした時、新一の黒髪の間から、ぴょこんと生えた黒い猫の耳が動いた。
快斗
快斗
新一
新一が快斗の胸にぐりぐりと頭を擦り付けてくる。
猫だった時の癖が、そのまま残っているようだった。
快斗
昨夜の自分の言動が、滝のように脳内を駆け巡る。
『好きなんだよなぁ』 『俺、お前にキスとか…しちゃうんだろうな』
快斗
羞恥と、目の前の煽情的な光景と、混乱。 あらゆる感情が沸騰し、限界を超えた。
ぶしゃッ
鼻から、生暖かい液体が垂れる。
快斗
声にならない悲鳴を上げ、快斗はベッドから転げ落ちた。
新一
新一
身体を起こし、自分の変化に気づく。
新一
新一
新一
快斗
快斗
新一
新一
新一
快斗の動きが、完全に止まる。
快斗
新一
快斗
がっくりと、快斗は両手で顔を覆い、床にへたり込んだ。
快斗
新一
新一
快斗
快斗の必死な様子に、新一は意を決した。 もう、誤魔化している場合ではない。
新一
快斗がおずおずと顔を上げる。
新一
快斗
快斗
新一
新一の顔に、ふっと柔らかい笑みが浮かんだ。
新一
快斗
新一
快斗
快斗は、鼻血が出ているのも忘れ、ふらりと立ち上がった。
そして、シーツ一枚でいる新一を、力強く抱きしめた。
快斗
新一
快斗
快斗
新一
ぶかぶかのシャツとスウェットパンツに着替えた新一を見て、快斗はようやく落ち着きを取り戻した。
快斗
快斗
新一
快斗
快斗
快斗
新一
快斗
快斗はキッチンに向かいながら、スキップしそうな勢いだ。
新一
朝食の準備をする快斗の背中を眺めていると、ふいに快斗が振り返った。
快斗
新一
快斗
新一
快斗
快斗は新一の隣にしゃがみ込むと、その視線を新一の頭に向けた。
快斗
新一
新一の身体が、びくりと強張る。
新一
快斗
快斗
新一
恋人、という言葉に弱い。
新一が口ごもっていると、快斗の指がそっと、耳の先端に触れた。
新一
背中に、今まで感じたことのないようなゾクゾクとした感覚が走り抜ける。
快斗
新一
快斗
快斗は面白がって、今度は耳の付け根を親指で優しくなぞった。
新一
新一
立っていられなくなり、ソファにぐったりと凭れ掛かる。
快斗
腕の中でぐったりとしている新一を見下ろし、快斗はゴクリと唾を飲んだ。
快斗
新一
涙目で睨みつけてくる新一。
快斗
快斗
快斗
新一
快斗
快斗は口を尖らせながらも、楽しそうに笑った。
快斗
コメント
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尊い…