─兄さんが眩しかった
だから、目を逸らした
本当は……
…
イーストン魔法学校
入学式を終えて教室に入り 自分の席に座る
少し離れた場所でユリウスが居て、 その周りには沢山人が居る
優しくで、笑顔で、誰からにも好かれる
気付けば僕の周りには誰も居なかった
リセル
その時だった。
??
声をかけてきたのは
マッシュバーンデッドとその後ろにいるフィンエイムズだった
マッシュ
フィン
リセル
マッシュ
手を出してきたマッシュの手を握り、握手をする
ゴツゴツしていて、努力の跡が見えた
リセル
魔力の流れを感じない…?
魔力探知が鈍い僕でもわかる。
リセル
マッシュ
マッシュ
リセル
隣でフィンが苦笑いを浮かべている
フィン
フィン
信じられなかった
魔力が無くても戦える?
そんなの…僕にはできなかった…
その瞬間、少しだけ心の奥に希望が灯った気がした
ほんの、少しだけ
昼休み、マッシュ達と食堂に向かう途中
廊下で兄たちとすれ違った
ユリウス
リセル
そう言って僕はマッシュ達の方に歩いていく
ユリウスの笑顔が一瞬固まる。
リセル
ユリウスは静かに笑って言った
ユリウス
優しい声
けど、その優しさがどうしようもなく遠く感じた
数日後。 実技訓練
僕は偶然、ユリウスと同じ班になった。
ユリウス
リセル
そういうと、ユリウスの仲間の1人が鼻で笑った
モブ
モブ
その言葉にその場の空気が凍った
マッシュ
その声は静かで、でも底が見えないほど重かった
ユリウス
ユリウスが慌てて止めに入る
けど、その"庇う声"がまた僕の胸を刺した
リセル
ユリウス
リセル
その場が静かになった
マッシュが僕の肩に手を置いた
マッシュ
フィン
僕はその言葉に、涙が零れそうだった
なんで、マッシュとフィンの言葉は優しいのに
ユリウスの言葉は苦しいんだろう、
ユリウスがその場で悲しそうな目を向けて僕を見つめていた。
その目が痛かった
見ないで欲しかった
リセル
夜。
寮の外
風の中、僕は静かに呟いた
リセル
リセル
リセル
リセル
リセル
月が雲に隠れた
その影の中で僕の中の"何か"が目を覚ます
──ユリウスを超えたい
例えそれが、
壊れる未来でも─
コメント
2件

最高やんけ