あかりんご
あかりんご
あおりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あおりんご
あかりんご
あかりんご
iris様の青×桃になります!
コニカルビーカー様主催、 『コニカルコンクール』 の応募作品となります!
iris・ご本人様とは全く関係ありません!
サムネはコニカルビーカー様が 配布してくださったものを 加工したものになります! 無断転載ではありません💦
あかりんご
あおりんご
あかりんご
以下の点を踏まえたうえでこの物語をお楽しみください!
それでは、物語へどうぞ!
ねえ、知ってる?
この世界って、
『この世』と『あの世』 二種類あるでしょ。
俺がいるのは『あの世』になるんだけどさ。
『あの世』でも、 『この世』みたいに みんなが普通に暮らしてるの。
帰る家があって、 学校に行って、仕事して、 ご飯食べて…
ほら、『この世』の生活と同じでしょ?
だけど、 『あの世』には年に1回だけ 『この世』にはない 一大イベントがあるの。
それが俗に言う__
『お盆』
なのである。
I
H
騒がしい人混みの中。
少し急かすように、 水色頭がぴょんぴょんはねている。
さっきまで走ってたはずなのに、 あの元気はどこから来るのやら……
I
H
そう、今日は夏祭り。
出来ることなら来たくなかったんだけど__
__夏祭り行こ!!
__えー……、嫌やねんけど
__やだ!絶対行く!!
弟の押しに根負けして、 無理やり連れ出されたのだ。
I
特にこの時期…
『盆明け』には
I
昔から、俺は霊が見える体質だった。
物心ついた時から見えてたので、 あんまり怖いとかは思わないけど。
『霊が見える体質』 それだけならまだ良いんやけど……
どうやら俺は 『霊に好かれる体質』 らしい。
その体質に気づいたのは__
__小学校の夏祭り。
あのときのことは、 今でもはっきり覚えてる。
〜回想シーン〜
俺が小学四年生の頃。
盆明けに、小学校で行われる夏祭りがあった。
うちの小学校は特殊で 生徒が屋台に立って売る… 文化祭みたいな夏祭りだった。
だから夏休みの途中で学校に行くので、 ちょっと内心ダルいと思ってた。
俺の担当はヨーヨーの屋台。
夏祭りが始まる前に準備しないとダメだから、 急いでヨーヨーに水を入れてたんやけど…
I
…………なんか、すごい視線を感じる。
夏祭りはまだ始まってないから人も入ってないし、
ヨーヨーに水を入れるのに必死だから 周りなんて見てないけど……
どこからともなく、 視線が俺に向かっているような 気がする。
I
……覚悟を決めて、顔をあげることにした。
そして、顔をあげたそのとき__
I
絶対にこの世の者じゃない人達が、 俺のことを囲むように見ているのだ。
I
幽霊でもないし、生きた人間でもない……
『見たことない人間』が
R
丁度いいところに友達が様子を見にきてくれたので、 直接被害はなかったのだが__
I
何故かあのとき見た謎の生き物(?)は、 お盆の時期だけにしかいない。
だから、お盆の時期は謎の生物と出くわさない為に 絶対に部屋から出ない覚悟で過ごしてるのだ。
H
悪い顔をして笑っているほとけ。
…コイツ俺のトラウマとか体質知ってるはずやんな?
盆明け+トラウマ+この体質…… ……何、俺のこと殺す気なん?
I
H
吹っ切れた俺とはよそに、 ほとけは友達を見つけたらしい。
H
S
H
I
<ギャー!逃げろー!!
ほとけは友達を連れて走っていってしまった。
I
無理やり夏祭りについて行かされたと思ったら…… アイツ自由すぎるやろ…
I
家からここまで走ってきたので、 さすがに喉が乾いた。
I
ラムネの屋台は何故か一番奥。 わざわざ奥に行くのは面倒くさい…けど、
このままだと喉がヤバいので、重い腰を上げ ラムネを買いにいくことにした。
ラムネの屋台に行く途中。
I
……やっぱり
なんかついてきてる気がするんだよなぁ……
I
と思いつつ、人間やっぱり 振り返ってみたくなってしまうものだ。
I
ちょっと控えめに後ろを見てみた。
何もいない…と思いきや
I
いる。なんか知らんけどめっちゃいる。
I
と内心叫びながら恐怖と人混みの中を全力疾走。
I
I
無我夢中で走っていたら、 いつの間にか1番奥にある休憩所にきていた。
周りを見回したが、人はあまりいない。
…だけど、桃色の浴衣を着た男の子が 木に寄りかかっているのが目が止まった。
心なしか、少し顔色が悪い気がする。
N
I
I
俺は心配になって、その子に話しかけていた。
N
相手は急に話しかけられてびっくりしている様子だ。
I
N
N
I
そしたらその子、きょとんとした顔でこう言った。
N
『あの世から来たから…』
状況が読み込めなかった俺は、
とりあえずベンチに座って その子の話を聞くことにした。
I
N
I
よし、本題に移ろう。
I
N
N
I
I
この子があの世の人間? 普通の人には見えない? つまり幽霊??
非現実的すぎて消化不良起こしそう…
N
ないこはためらいがちに…… 足の方を指さした。
なんだろう…と思いつつ、 足元を見てみると__
I
N
__足元が透けているのだ。
ちょうど木陰にいたから分からなかったけど、 たしかに足が透けてる。
I
いや、ないこが幽霊には見えない。 普通に生きてる人間みたいな背格好をしている。
I
色々頭をぐるぐるさせていると、
N
I
頭の中にはてなを浮かべていると、
N
I
初めて知った情報に、驚きが隠せない。
N
I
N
急にないこが身を乗り出した。
I
N
え、俺も聞きたいこと色々あるんだけど……
ないこはその質問の方が気になるみたいだ。
I
俺は少し考えた後で、こう言った。
I
N
I
N
I
寂しそうな、虚ろな陰のある目をして ないこは下を向いてしまった。
I
I
喉が渇いてしょうがなかったはずなのに、 ラムネを買いに来たのを今さら思い出した。
I
I
N
I
N
ないこが指したのは、 一番ここから近いヨーヨーの屋台。
I
N
小学生みたいなキラキラした目で、 ないこが迫ってくる。
I
ヨーヨーにはあまり良い思い出はないのだが……
I
N
言われてしまったものは仕方ない。
俺は急ぎ足でヨーヨー(ついでにラムネ)を 買いにいくことにした__
〜 🍣 side 〜
N
ヨーヨーの屋台を木陰で見ながらため息をつく。
今日は年に1回の楽しい楽しい夏祭り……
のはずなんだけど・・・
N
俺は屋台の物も買えなければもはや空気…。
だって__
あの世から来た人間だから…
あの世ってね、 みんなが普通に暮らしてるの。
家族がいて、 住む家があって、 ご飯食べて……
あの世も至ってこの世と同じなんだけど、 ちょっとだけ違うところがあって。
それが、年に1回だけある『お盆』
この世に行ける一大イベントなんだけどね。
ただ単に楽しむのも良し。 想い入れがある場所に行くも良し。 この世に行く目的は人それぞれ。
それと、『この世』と『あの世』は お盆中はいつでも行き来できるんだけど
……一つだけ条件があるの。
それは 『この世には一時間しかいれない』 こと。
一時間経ったら強制的にあの世に引き戻される。
逆に言えば、 『この世に行ったら一時間帰って来れない』 って解釈も出来るんだけど。
みんなそれを踏まえたうえで、この世に行くんだけど…
一人で一時間は長すぎたかなぁ……
『一人でも一時間くらい行けるでしょ』 って思ってたけど…
N
後悔してももう遅い。 まだ一時間くらいは帰れないのだ。
N
N
少し複雑な気持ちでぶらぶら歩きまわっていると、
N
通りすがりのヨーヨーの屋台に足を止めた。
N
そういえば昔あんなことあったなぁ__
〜回想シーン〜
俺が小学生くらいの頃、 1回この世の夏祭りに来たことがあった。
そのときは家族全員で来てて、 俺・母・父で行ったんだけど…
母
父
母
N (幼少期)
初めて『この世』に来てたから、 テンションが上がってたのはすごく覚えてる。
だけど夏祭りが始まる前に来ちゃって、 人はあまりいなかった。
N (幼少期)
N (幼少期)
母
N (幼少期)
小さい頃の俺の目に止まったのは、ヨーヨーの屋台。
何故かあそこだけ、人混みができていたのだ。
母
父
しかも、全員あの世の人。 父も母もよく分からないみたいだった。
N (幼少期)
頭の中にクエスチョンマークを浮かべながら、 ヨーヨーの屋台を通り過ぎようとした時。
N (幼少期)
小さい頃の俺には衝撃な光景だったのかもしれない。
N (幼少期)
水入れてる…!?
N (幼少期)
母
父
俺はそのとき、 ヨーヨーに水が入っている光景を初めて見た。
水が入っていないヨーヨーしか知らなかったのだ。
N (幼少期)
水を入れてる青髪の男の子……
N (幼少期)
あの頃は少し疑問を抱えたまま、 あの世に帰ったんだけど__
N
なんであんなに囲まれてたんだろう……
N
いくら考えても思考はどうどうめぐり。 答えが出ないので、いつの間にか考えるのをやめてしまった。
N
ずっと歩いているうちに、 いつの間にか一番奥の休憩所についていた。
N
休憩所の時計を見ると、
時計の針は8時10分を指している。
N
N
まだ50分もある……!?
N
後50分…どうすればいいんだ……。
ここを離れて歩き回ることも考えたけど、 疲れることはしたくなかったので
とりあえずここにいることにした。
N
小さい頃にこの世に来たときのことを思い出していたら、 ヨーヨーが欲しくなって来た。
水が入ってるヨーヨーは遊んだことがないので 少し遊んで見たくなったのだ。
だけど屋台行けないんだよなぁ……
眺めることしか出来ない俺は、 木に寄りかかりながらヨーヨーの屋台を見つめていた。
???
N
急に声をかけられて驚いた。
???
N
N
???
N
すると相手は驚いたような顔をして、
???
って手を引かれて、ベンチまで連れていかれた。
N
I
N
I
聞かれるがままに、それに俺はこたえる。
I
N
N
I
N
こっちも絶賛混乱中なんですが…?
なんでいふまろって人に 俺が見えてるのかも分かんないし……
N
俺は自分の足を指さした。
あの世から来た人は、 この世に来た時に足が透けるのだ。
N
I
しばらく険しい顔をした後、 足が透けていることに気づいたようだ。
I
うーん…幽霊とはちょっと違うんだけどな……。
N
I
相手は酷く混乱しているようだ。
N
I
軽く説明すると、相手は驚きながら頷いた。
N
だけどそれ以上に気になることがある…
N
I
N
それ以前に…
なんで俺のこと見えるのこの人!?
I
N
身を乗りだして聞いてみる。
I
相手は少し考えた後で、こう言った。
I
N
I
世の中特殊な人もいるんだなぁ…… と内心思いながら話題を変える。
N
I
しばらく沈黙が続いたとき、明るい声が聞こえた。
I
N
I
N
俺はさっきから欲しいと思ってた、 ヨーヨーの屋台を指さした。
I
N
I
何かやましいことでもあるのか 少し考えこんだ後、
I
N
I
N
こんな純粋に喜んだのは久しぶりな気がする。
まるで心だけ小学生に戻った気分。
N
誰にも聞こえない声で、そっと呟いた。
〜 😜 side 〜
I
N
I
さっきないこに頼まれたヨーヨーと、 俺のラムネを買ってきた。
ないこはよっぽどヨーヨーが欲しかったのか これでもかってくらい喜んでる。
まぁとりあえず喜んでもらえたなら良かった…
I
N
取れたのは赤・桃・青。
元々ないこの色の桃を狙ったんだけど、 青と赤は芋づる式についてきた。
I
特に意味もなく、理由を聞いてみた。
N
I
N
ないこはヨーヨーを月明かりに照らしながらそう言った。
I
N
I
N
I
思いもしない解答に、拍子抜けしてしまった。
もっと非現実的な感じかと思ってたんやけど……
N
I
I
I
N
N
I
ないこはあの世の人間だけど、会話をしてて 不思議と怖いとかは思わなかった。
家の中にこもるよりも、 何十倍も楽しい気がした。
〜 🍣side 〜
N
I
N
いふまろと話してると楽しかった。
昔から友達があんまりいなかったから、 久しぶりにこんなに話した気がする。
N
N
I
どことなくいふまろに似てる気がする…
N
ふと、昔ヨーヨーの屋台にいた 青髪の男の子が頭によぎったのだ。
I
N
青髪の男の子といふまろが似てると思ったことは、 自分の心の内にしまうことにする。
N
I
N
いふまろと話をしている内に、 楽しくて時間のことを忘れていた。
この世には一時間だけしかいられないことも…
N
I
休憩所の時計を見て顔をしかめながらこたえるいふまろ。
N
後1分しかない…!?
I
N
I
N
I
今日はお盆最終日。 いふまろとまた会えるのは来年だ。
いふまろともっと話す方法は…… あ!そうだ!
N
N
I
N
I
少し強引に約束した後、
俺は3つのヨーヨーを持って いふまろの前から姿を消した。
I
3つのヨーヨーと一緒に俺の隣からいなくなったないこ。
残ったのは、空になったラムネの空き瓶だけだった。
I
なぜか、心にぽっかり穴が空いたような気がする。
I
バァーン!パチパチパチ……
I
心の隙を埋めるようにあがった花火の音。
来年はないこと一緒に花火を見れるんかな……
そう考えると、嫌いで仕方なかったお盆が待ち遠しく感じた。
N
N
気づいたら、自分の部屋の和室に座り込んでいた。
N
この世から帰って来たんだ。
どこか名残惜しいような、寂しいような… 不思議な感情がこみ上げてくる。
N
何となく手元を見ると、 いふまろがくれたヨーヨーが視界に入った。
N
またいふまろと話せるのは…
そう考えると何の気力も起きなくて、 すぐそこにあった枕に顔を伏せた。
N
そう思い、腰に巻いてある帯を解く。
N
この世に行ったことも
いふまろと喋ったことも
ヨーヨーをくれたことも
全部全部…
N
N
寝返りを打つ方向に、真正面に窓が見える。
N
外の景色を何気なく見ていると、
ピカッ
N
急に窓が光った。
驚くと同時に、
バァーン!パチパチパチ…
桃と黄色の花が、空へ咲き誇った。
N
いつも見る花火より何千倍も綺麗で、 思わず感嘆の声がもれる。
N
今年の大きな菊花火は__
一瞬で、儚く解けた魔法みたいに見えた。
~END~
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
あかりんご
コメント
1件
めっちゃ感動しました ( ; ; )❤︎ 私は ミオサメ と 幸せな生け花 だいすきでした😭😭😭😭😭