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あの日から数年。 アクアマリンは中学一年生になっていた。
みやこに引き取られてから。 ルビーと一緒に暮らしている。 周りから見れば。 幸せな家庭だった。 実際。 みやこは優しかった。 ルビーも元気だった。 困ることなんて何もない。 はずだった。
星野ルビー
朝。 ルビーの声が響く。
星野ルビー
星野アクアマリン
制服を着ながら答える。
ルビーは昔と変わらない。
明るくて。
よく喋る。
その姿を見ると少し安心する。
学校へ向かう。 授業を受ける。 友達と話す。 普通の日常。 だけど。 アクアの頭の中はいつも同じだった。
母さん。
どうして死んだの?
兄弟たちは今どこにいるの?
あの日。 何があったの?
忘れた日はなかった。
放課後。 アクアは一人で図書館へ向かう。 勉強のためじゃない。 調べ物だ。 昔の新聞。 過去の記事。 ネットの記録。 少しでも。 何か手掛かりが欲しかった。
司書
司書が笑う。 アクアは軽く会釈した。 誰にも話していない。 ルビーにも。 みやこにも。 話したら止められる気がした。 だから一人で探す。 母の死の真相を。 兄弟たちの行方を。
その夜。 部屋へ戻る。 机の引き出しを開く。 そこには写真。 九つ子だった頃の写真。
母
アメジスト
アレキサンドライト
ダイヤモンド
サファイア
レピドライト
フローライト
ルビー
エメラルド
そして、俺。
全員が笑っている。
星野アクアマリン
星野アクアマリン
返事はない。
でも。
諦める気もなかった。
ルビーは気付いていない。
アクアが今でも探していることを。
兄弟たちを。
母を。
家族を。
その時。 部屋のドアが開く。
星野ルビー
星野ルビー
アクアは慌てて隠す。
星野アクアマリン
星野ルビー
ルビーはベッドに座る。
星野ルビー
アクアは答えなかった。 答えなくても。 分かってしまうから。 ルビーは少し笑った。
星野ルビー
その言葉に。 アクアは目を見開く。
星野ルビー
星野ルビー
ルビーはそう言った。 アクアは小さく笑う。 自分だけじゃなかった。 同じ気持ちの人が。 すぐ隣にいた。 窓の外を見る。 夜空が広がっている。 どこかで。 兄弟たちも同じ空を見ているだろうか。
アクアは静かに呟く。
星野アクアマリン
星野アクアマリン
その瞳には。 決意が宿っていた。
コメント
1件
うん……第17話、読んだよ。 アクアがずっと一人で過去を調べてたんだね。みやこさんやルビーに話せないまま、孤独に調べ物してる姿が胸にきた。ルビーが「私もだよ」って言ったとき、ああ、彼女も同じ想いでいたんだって分かって、少し救われた気がしたよ。隣にいてくれる人がいるって、大事だね。アクアの決意、ちゃんと応援したくなった。