同時刻
in岩柱邸
美弥子
はぁっ、はぁっ、
ドンドンドンッ!!
美弥子
開けてッ、開けてくださいッッッ!
ギイイイイイッ
悲鳴嶼行冥
南無…
悲鳴嶼行冥
お前は不死川の…
美弥子
不死川美弥子と言いますッ!不死川玄弥はいらっしゃいますでしょうかッ!?
悲鳴嶼行冥
庭で鍛錬しているが…
美弥子
今すぐ呼んでもらっていいですかッ!?
悲鳴嶼行冥
分かった…呼んでこよう。
不死川玄弥
おいッ、どうしたんだよ、
美弥子
兄さんがッ、任務から帰ってきてないのッッ!
不死川玄弥
はっ?
不死川玄弥
あ、兄貴がッ?
美弥子
日が沈む時刻から任務に出ててッ、9時には帰ってきてるはずなのに帰ってきてなくてッ、
美弥子
今柱の皆さんが現場に行って探しに行ってもらってるんだけどッ、
不死川玄弥
わかった。わかったから一旦落ち着け。な?
美弥子
…ッ。
美弥子
ごめん。取り乱した。
悲鳴嶼行冥
心配するな。必ず柱たちが見つけるだろう。
美弥子
ッ…
美弥子
スー…パタンッ
美弥子
(兄さんの…部屋)
あれから結局、岩柱様から屋敷に戻れと 隠に送り返された。
だって、心配じゃん。
数少ない家族が居なくなったらそりゃ、
美弥子
心配じゃんッッ,ポロポロ
美弥子
無事に帰ってくるのかもわかんないしッッ、
美弥子
また離れ離れになっちゃうのかもしれないしッ、
美弥子
絶対ッッ、帰ってきてよッッ、
美弥子
兄さんッッ,
…、
この子はなんて、優しいんだろう。
まだあの方とあって数年の間に、
"愛"というものを理解して、
"家族"というものを理解して、
家族が居なくなれば、全力で心配する、
まだ家族に会えて数年の少女が、
こんなことを、口にするとは、
思ってなかった。
不死川様ッッ、早くッッ、
戻ってきてッッ、







