/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
不動明王
ノウマク・サラバタタ・ギャティビャク……
降三世明王
我等「明王」の使命は「鎮護国家」。
降三世明王
個々の民草の生き死に関わるべきではない。
不動明王
サラバボッケイビャク・サラバタタラタ・センダマカロシャダ……
降三世明王
ましてや貴様は「不動明王」の名を冠する者、五大明王の中心だ。
不動明王
ケンギャキギャキ・サラバビギナン……
降三世明王
そのお前が、国家に弓引くか！
不動明王
ウンタラタ・カンマン、不動明王火炎呪！
数日前のこと。
不動明王
何だ、ここは……？
検非違使
村、だった場所です
見渡す限りの田畑は水に浸かり、その先にあるはずの家は泥と瓦礫で埋もれ、家々を囲んでいたであろう柵も、そのほとんどが倒壊してしまっている。
かつてそこに村があったと知らなければ、そのまま通り過ぎてしまうだろう。
それほどまでにその場所は破壊されていた。
不動明王
確かにこの地域は昔から水害に悩まされていた。
不動明王
だが、かつてこれほどの被害は……、
不動明王
まて、あれは何だ？
そこには――――――黒い影が、佇んでいた。
不動明王
あれは……人？
不動明王
いや、違うな。
シルエットこそ人のそれに近いが、全身から漂う禍々しい気配がその推測を否定する。
それは幼い少女のようにも見えた。それが鳥を抱いている……
いや、その少女は鳥と一体化していた。
検非違使
あれが、この水害をもたらした妖魔、今回の討伐対象でございます
不動明王
ふむ
不動明王
（もたらした被害は凄まじいが、
不動明王
あれ自体はそれほどの妖力を持っているとは思えない）
不動明王
（元は人の霊だろうか）
不動明王
（それも長い年月を経た、というものでもない）
不動明王
……こんなものが、なぜこのような被害を出せたのか？
いささか疑問には感じたものの、俺は「不動明王」、
国家に仇なす妖魔を滅すのが仕事。
倶利伽羅の剣を抜くと、少女の霊に近づき……
ゆっくりと剣を構えると、一気に振り下ろす！
不動明王
！？
少女の霊
…………
お と う さ ん
不動明王
（今の彼女の口の動きは……）
検非違使
さすが不動明王、一瞬でしたな
検非違使
当地の僧侶が三日三晩、加持祈祷を試みたのですが、まったく効果がなく
検非違使
それが一太刀とは、恐れ入りました
不動明王
あれは、どういういわれがあった妖魔だったんだ？
検非違使
……
検非違使
さあ、私は存じ上げませんが……？
不動明王
そうか……
続く（かも？）
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
