六年越しの愛してる

ー🤪💎のLI〇Eー

僕はほとけ。 前まであり得ないと思ってたけれど、いふくんのことが好き、みたい。 だから初兎ちゃんに言われて、彼の好きなタイプを聞いてみる。

初兎ちゃんと帰るまで、メンバー揃ってないこハウスにいたことを 言っているのだろう。

どうやって聞くかで頭がいっぱいで、 まったくいふくんの声は聞こえてなかった。 …ヤバいな、全然いつも通りに話せてない。

え何だったっけ、あせりすぎてわすれた… 我ながらすぐに忘れられる頭、すごいと思う。

そこまで言ってから思い出す。 そうだ、いふくんの好きなタイプを聞くんだった…！

🤪side

一応この後も仕事がある。 企画の話は大事だけど、いつもだったらチャットでやるのに、 なんで今日は通話なんだろう。 それに、今日のほとけはどこかおかしい。 自分から話を振って来たのに、上の空なことが多い。 …なんかあったんやろうか？

俺の声が何も聞こえてなかったみたいに言うほとけに、 やっぱり違和感を覚える。 …ひょっとして、

素直に謝られて面食らう。 やっぱり今日のほとけはどこか変だ。 本人は否定してたけど、体調が悪い可能性もある。 ここらへんで引いた方がよさそうだ。

好きな人。 それは六年前から変わらずにほとけだ。 でもそんなこと本人を前にして言えるわけない。

何バカ正直に答えてんだ俺！！ こんなんほぼ告白やん…！ そう思ってたけれど、ほとけはただため息をもらしただけだった。

普段ならこんなこと言えないけど。 ほとけの調子を見ているとそんなこと言ってられないくらい悪そうだ。

俺が玉砕覚悟で言った事なのに、どっきり？ ふざけるな、と思う。 人が真剣にタイプ話してんの聞いて笑ってたん？ あの歯切れの悪さも、 全然反応しなかったのも、 全部裏で笑ってたん？ そう思うと怒りがますますつのる。

はっきりしないほとけの態度に、 俺はイラついてそう言葉を投げかけた。 明らかに怒りをあらわにする俺の言葉に、 ほとけは取り繕うように声をあげた。

そこで止めておけばよかったのに。 それでも充分最低な言葉だけど、 でも、まだ取り返しがついたのに。

売り言葉に買い言葉というのはこういう事だろうか。 いつもの不仲のノリで、言ってはいけない最低なことを言ってしまった。 言った後で気づく。 大好きな人に嫌いと言ってしまった、事の重大さを。 ほとけは声にならないような声を出して、 そして＿＿

蚊の鳴くような声でつぶやいた。 俺は今さら謝ることもできず、

ただそう言って通話を切ることしかできなかった。

つぶやいてみる。 自分の声が思いのほかかわいてて、 自分で言った言葉に傷ついてることがわかる。 …バカみたいや

ほとけにも行ったけど、 明日はいれいすメンバーで出かける日。 勘の鋭いないことか、 ほとけと仲がいい初兎とか、 絶対何かあったのか、って聞いてくるだろう。

今から悪ふざけってことにすれば許してもらえるだろうか。 …いや、ほとけは本気で傷ついてた、きっと。 今さら謝っても遅いよな。

もし、ほとけが本当に体調を崩してたら？ それを隠すためにどっきりとか言ってたとしたら？ あいつはあいつなりに気を遣ったのに、 俺は嫌いとか言って。 …きっと最低だと思ってるだろう。 いや、「思う」じゃなくて、完全に最低だ。

そうつぶやいて下を向くと、涙が落ちてくる。 いふくんに大嫌い、って言われた。 いや、それ以前に、「好きな人」ってところで。 メンバーで、明るくておもしろくてバカで、 だけどかわいい人…って、初兎ちゃんしかいなくない？ ないちゃんとかも「おもしろい」けど、 バカじゃないし。 初兎ちゃんがいふくんのことをどう思ってるのか知らないけど。 でも、もし好き合ってるのだとしたら応援しないと。 …そう、応援しないといけない。 わかってるけど、やっぱり、

でも僕はそもそも「嫌い」って言われちゃったし。 …全然体調なんて悪くなかったけど、 そう言う事にして通話きっとけばよかった。 っていうか、逆に良く思いつくよね、どっきりなんて。 まぁ案の定怒られたんだけどさ。

明日はみんなでお出かけする。 初兎ちゃんやいふくんに、どんな顔で会えばいいのかわからない。 鋭いないちゃんとかに何か言われたら、 どう返せばいいのかもわからない。 でも、行かなかったら行かなかったで、 心配されるとやりにくいし。 …それに。

ああやってよけいなことを口走ってしまうのは、 意識してるからで。 ってことは、やっぱりまだ諦めきれてないってことが 絶望的に知らされたってことだよね…。

大粒の涙が、手に落ちた。