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ピコン ピコン

千春

スマホ、なってる…

千春

里奈から

千春

どうしたんだろう?

里奈は今日 先輩の家に行った

千春

そういう報告、か…

千春

いらないんだけどな?

チャットルーム 【リナ】

リナ

千春

リナ

助けて

チハル

どうしたの?

チハル

(助けてって、どういう意味!?)

リナ

あのね

リナ

さっき先輩の家から帰ってきたの

チハル

うん

チハル

(じゃあ、光一先輩と何かあったの?)

リナ

リナ

やっぱり、いい

チハル

どうして?

リナ

またね

チハル

ちょっと里奈!?

里奈とのチャットは 唐突に終わった

千春

里奈…

千春

先輩と何があったの?

頭をよぎるのは 自分と頼人のこと

千春

まさか…

千春

無理やり…?

千春

応答なし

応答なし

千春

応答なし

応答なし

千春

応答なし

応答なし

千春

なんで、電話に出てくれないの…?

千春

里奈…

千春

千春

(頼人に連絡したほうがいい?)

千春

(でも、なんて聞くの!?)

千春

(もしも里奈と光一先輩が、あたしたちと同じことをしていたら…)

そこに同意なんて あるはずがない

千春

里奈はそんなこと…

千春

望んでない…!

千春

それなら!

千春

こんなこと…

千春

誰にも聞けないよ…

その夜は、里奈が心配で 眠れなかった

翌日

千春

おはよう、里奈

里奈

…おはよう

千春

(里奈、元気ない…)

千春

(やっぱり昨日、何かあったんだ…)

千春

ねえ、里奈

千春

昨日、大丈夫だった?

里奈

え?

里奈

…昨日?

里奈

里奈

あ、ごめんね!

里奈

なんでもないの!

千春

本当に?

千春

昨日、電話に出なかったよね!?

里奈

お風呂入ってて、
出れなかったの

里奈

…ごめんね?

千春

でも…

里奈

本当に大丈夫だから

里奈

早く学校行こ?

里奈

遅刻しちゃう!

千春

(里奈…)

千春

(本当に、大丈夫かな?)

『助けて』

千春

(昨日は、ちゃんと)

千春

(助けを求めてくれたのに…)

里奈のそばに居たい

里奈を守りたい

独りよがりの想いだけが

大きくなってゆく

放課後

千春

里奈…

千春

しつこいって、
分かってる…

千春

だけど、
やっぱり心配なの

里奈

…千春

千春

ゆっくり出来るところで、話さない?

里奈

千春

ファミレスでいい?

里奈

待って!

里奈

できれば…

あたしの心配とは裏腹に

里奈の頬が 桜色に染まった

里奈

人の少ないところで、
話したいな?

千春

…わかった

里奈

ここは?

千春

旧校舎の裏

千春

取り壊しが近いから、誰も来ないよ

千春

で?何があったの?

千春

(予想はついたけど…)

里奈

…あのね?

里奈

里奈

昨日…先輩に

里奈

キスされたの…

千春

そっか…

千春

へぇ、そうなんだ

ほんの一瞬の安心と

泣きたいくらいの衝撃

里奈

ねえ、千春…

里奈

これから、
どうしたらいいと思う?

千春

(なんで、あたしに聞くの?)

千春

(なんでそんなに、嬉しそうなの?)

里奈

昨日ね?

里奈

ちょっとだけ怖くなって、帰ってきたんだ…

千春

そうだったんだ

千春

…怖いよね?

千春

初めてのキスは

里奈

…うん

里奈が恥ずかしそうに 微笑む

千春

(あたしは里奈に、こんな顔させられない…)

千春

(あたしは、永遠に…)

千春

(里奈の、1番になれない)

恋人になれないのなら

特別になれないのなら

里奈

ねえ…

里奈

千春も、怖かったの?

千春

……っ

焦げるような この胸の痛みを

欠片だけでも

里奈の体に 焼き付けたい…

千春

少し、だけ?

里奈

少しか…

里奈

千春は、大人だね?

千春

そんなことないよ

千春

(そんな目で見ないでよ)

千春

(羨むような目で、あたしを見つめないで)

千春

千春

ねえ、知ってる?

里奈の柔らかい頬に 指先で触れ

艶やかな髪を撫でる

千春

友達とのキスは…

千春

カウントされないんだよ?

里奈

里奈

そうなの?

里奈は澄んだ瞳で あたしを見る

千春

(素直で、かわいいな)

千春

(里奈は…)

千春

だから、ね?

千春

あたしが…

千春

教えてあげるよ

里奈

え?

顔を近づけて 額を重ね合わせる

けれど 里奈の表情は変わらない

千春

(あたしは、こんなことで…)

千春

(みっともないくらい、動揺してるのに…!)

里奈

千春、どうしたの?

里奈は顔色ひとつ変えない

それが 胸の痛みを加速させる

千春

光一先輩が、
好きなんでしょ?

里奈

…うん

ふっくらした唇に 指先で触れる

千春

(柔らかい…)

罪悪感で 胸が破裂しそう…

千春

…上手い方が

千春

先輩だって、喜ぶよ

里奈

そうなのかな?

千春

そうだよ…

千春

そういうもんだよ?

千春

男の人って…

そう言って あたしは

里奈と唇を 重ね合わせる

しっとりと 柔らかな唇は

噛みちぎりたいほどに

狂おしく、愛おしかった

[完]【GL】恋が甘いなんて誰が決めたの

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