俺は灰谷竜胆、見ての通り、犯罪組織の幹部だ
ドンッ!ドンドンッ!
灰谷竜胆
反社の俺は、私情を持ってはいけない、だから感情は捨てた
でも、やっぱり愛は捨てきれなかった
灰谷竜胆
俺には想い人が居る
三途春千夜
三途春千夜、俺の上司だ
灰谷竜胆
三途春千夜
こいつには、結婚して3年の嫁が居る
名前は夢、三途夢だ
灰谷竜胆
三途春千夜
……いつからだろう、三途を好きになったのは
天竺?関卍?梵天?
分からないけど、俺は確かに
三途を愛していた
生まれて初めての感情、今まで色んな女と付き合い
身体を、心を重ねてみた
けれど、どんな行為も、俺の求める真実の愛は混じっていなかった
薄汚い、灰色の気持ち
でも、三途は、キラキラした 甘い甘い気持ち
これがきっと
愛
だから
「俺、結婚すんだ」
この言葉で、本当の哀も知った
「良かったじゃん」
そして、自分を偽る、 罪なき嘘も知った
愛と哀 この色の違い 味の違い 音の違い
全て知った 知ったからこそ
また哀せる 哀して哀して
哀して、
灰谷竜胆
三途春千夜
灰谷竜胆
「何?」
哀って何だ? 何なんだ?
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