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10時の鐘がなり響く
良い子は眠る時間だよ。
早く寝ないと、怒られちゃう。
パパとママと、それから,,,
君が寝ないと動けない、ぬいぐるみたちにもね。
メル
母
父
メル
メルちゃんのパパとママが、部屋から出ていく。
メル
メル
彼女はぴぃちゃんにぎゅーをしてから、明かりを消す。
パチンッ！と、軽くてよく響く音がした。
猫のぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
彼女が寝たあとは、僕たちが動いていいかの確認が行われる。
もしも彼女が起きていたら、気づかれるかもしれないからだ。
コアラのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
コアラのふさすけさんが騒ぎ出し、猫のもふみちゃんがそれを宥める。
そしてそれをインコのぴぃちゃんさんがたしなめる。
いつもの光景だ。
コアラのぬいぐるみ
ふさすけさんが僕に話掛けてくる。
インコのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
何やら散歩のことで揉めている。
僕―――もといみずいろは、最近この家にやってきた新人だ。
イルカの姿をしていて、水族館で彼女に「可愛い!」と言われ、買われたのだ。
新しいお家にそれはそれはワクワクしながら部屋に飾られたんだけど,,,
先に部屋にいた先人たちの仲が良すぎて、入りづらい雰囲気。
結局一言も喋ることができないまま、3日が経過していたのだった。
インコのぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
ふさすけさんが持っているユーカリの枝で僕の頭を突っついてくる。
インコのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
猫のぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
コアラのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
インコのぬいぐるみ
ぴぃちゃんさんの声に頷く。
明日はもふみさんと仲良くなれるだろうか。
