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クリスマスにて。

第1話 - クリスマスにて。

2018年12月25日

#恋愛

#失恋からの恋

モモたん

ユウコ

ねえ、

マリコ

何？

ユウコ

私、ついに、

マリコ

うん。

ユウコ

タツミくんに告ろうと思います！！

マリコ

マジで？！

ユウコ

うん、マジ。

ユウコ

クリスマスイヴにデートに誘って、そのまま告白！

マリコ

そっかー、がんばれ

ユウコ

がんばるしかないっしょ

ユウコ

なにせ、一年間ずぅっと片思いしてきた相手なんだからね笑

マリコ

うん、そうだね

マリコ

応援してるよー

マリコ

（ホントは、私もタツミくんが好き。）

マリコ

（でも、一年間、それをユウコに言えずにいた。）

マリコ

（ユウコは可愛いから、きっとタツミくんもOKするだろう。）

マリコ

（はあ、私のタツミくんへの気持ちは、どこにやったらいいのかな）

翌日

ユウコ

朗報！！

ユウコ

タツミくんをデートに誘えた！！

マリコ

ホントに？！

ユウコ

うん

ユウコ

タツミくん、甘いのが好きって言ってたから、有名なパンケーキ屋さん行かない？って言ったら、

ユウコ

オッケーされたんだ！！

マリコ

そっかー、じゃあ、クリぼっち回避だね。うらやましー

ユウコ

だろー笑

マリコ

笑

マリコ

ホント、頑張ってね

ユウコ

うん！

マリコ

（嘘だ。ホントは、応援なんかしてない。タツミくんと、ユウコが、うまくいかないでほしいっておもってる。）

マリコ

（こんな悪い子、タツミくんが受け入れてくれるはずないよね）

マリコ

（もう、憂鬱だな）

ハヤテとのL IME

ハヤテ

あの、

マリコ

あれ、ハヤテくん？どーしたの？

ハヤテ

クリスマスイヴ、僕と一緒に過ごしてくれませんか

マリコ

え、私？！

ハヤテ

はい。

マリコ

（ハヤテくんは、部活の後輩で、みんなから慕われている、優しい子。）

マリコ

（そのハヤテくんが、なんで…）

ハヤテ

マリコ先輩、甘いものお好きでしたよね？

マリコ

うん…

ハヤテ

僕のオススメのパンケーキ屋さんがあるので、一緒に行きませんか？

マリコ

ホント？！パンケーキ屋に、連れていってくれるの？！

ハヤテ

はい。

マリコ

なら、喜んでついていくよ！

ハヤテ

ほんとですか？！

マリコ

（あ…甘い物の誘惑で、ついついOKしちゃった…）

マリコ

（後輩とはいえ、イヴに一緒にいるところを見られたら、

マリコ

勘違いされるかもしれない。それが、タツミくんの耳に入ったら…！）

ハヤテ

じゃあ、楽しみにしていますね

マリコ

（でも、断れる雰囲気じゃないし…）

マリコ

うん！私も！

マリコ

（ああ、この頃、チャットと自分の考えてることが一致してないなあ）

クリスマスイヴ、パンケーキ屋にて

ハヤテ

あ

マリコ

あ

ハヤテ

タツミ先輩と、ユウコ先輩だ

マリコ

（最悪…よりによって同じ店なんて…）

ハヤテ

いい感じですね、あの二人。

マリコ

そ、そうだね

タツミ

あ、あれ？

タツミ

マリコちゃんと、ハヤテくん？

マリコ

あ…！

マリコ

（気づかれちゃった！）

タツミ

奇遇だねー、いつのまに、2人は付き合ってたの？

ハヤテ

あ、いや、別に、そんなんじゃ

タツミ

はは、照れるなよ笑

タツミ

じゃあ、2人とも、ごゆっくりー

マリコ

（泣きそうだ）

マリコ

（タツミくんに付き合ってるって勘違いされてるし、しかも今の反応、

マリコ

全然、私のこと、見てない。）

マリコ

（どうしよう、こんな気持ちで、パンケーキは美味しく感じないよ）

ハヤテ

…先輩？

マリコ

あ…

ハヤテ

どうしました？

マリコ

いや、なんでもないよ

マリコ

（それから、私は、パンケーキを無理やり喉に押し込むようにして食べた。）

マリコ

（ハヤテくんには、申し訳ないけれど…）

ハヤテ

おいしかったですね

マリコ

う、うん

ハヤテ

そろそろ出ましょうか

マリコ

そうだね

ハヤテ

今日は、僕の誘いなので、僕が払います。

マリコ

いや、それは悪いよ！

ハヤテ

いや、大丈夫です

マリコ

（そして、ハヤテくんは、半ば強引に私の代金を奢った。）

マリコ

奢ってくれて、ありがと。

ハヤテ

いえ…

マリコ

優しいんだね、ハヤテくん。

ハヤテ

いや、それほどでも…

マリコ

（そして、ハヤテくんは、照れ臭そうに笑った。）

マリコ

（ちょっと、可愛いかも…）

ハヤテ

じゃあ、次、近くに水族館があるので、行きませんか？

マリコ

うん、そうだね

マリコ

（ハヤテくんとのお出かけ、

マリコ

楽しいけれど、やっぱり脳裏には、タツミくんが…

マリコ

今頃、あの2人、何してんだろ…）

ハヤテ

あ、ここです、水族館

マリコ

へぇー、結構大きいんだね

ハヤテ

そうですね

ユウコとのL IME

ユウコ

ねえ！！

ユウコ

今、トイレにいるんだけどさ、

ユウコ

告白の返事、OKだって！！

マリコ

え、ホントに？

ユウコ

うん！！

マリコ

ユウコ

え、マリコ？

水族館にて

ハヤテ

あの…先輩、大丈夫ですか？

マリコ

…

ハヤテ

先輩？

マリコ

（ダメだ、今は、ハヤテくんと一緒にいるんだよ、

マリコ

こんな、こんな気持ちでいちゃ…ダメだよ）

マリコ

うっ…うう

ハヤテ

え、マリコ先輩！？

マリコ

（やだ…！いつのまに、涙が！）

マリコ

もう、やだ…！

ハヤテ

先輩！！

マリコ

うう、うあ、

マリコ

（なんで、こんな、あてもわからず、走ってるんだろ…）

マリコ

うああ、うう

マリコ

（タツミくんは、やっぱり、私なんか見てくれなかった）

マリコ

私、なんか…

ハヤテ

先輩！！

マリコ

あ…！

マリコ

（ハヤテくん…！私を、追ってきて…！）

ハヤテ

どうしたんですか！？

マリコ

…

マリコ

ふられ、ちゃった…

ハヤテ

…！

マリコ

（なに、言ってんの、こんなこと言っても、ハヤテくんを困らせるだけなのに…）

ハヤテ

…

マリコ

（え…！ハヤテくんが、無言で私を抱きしめて…！）

ハヤテ

こんな時に言うのもなんですけど、

ハヤテ

僕、先輩が、好きです。

マリコ

！！

ハヤテ

だから、マリコ先輩が他の誰かを好きなことが、すっごく悲しいです。

ハヤテ

けど…

ハヤテ

好きな人の悲しんでる姿を見るのが、一番悲しいんです。

マリコ

（ハヤテくん…）

ハヤテ

僕がいます。

ハヤテ

いますから、どうか、心に隙間を、つくらないでください。

マリコ

ハヤテくん…！

マリコ

う、う、うああああん

マリコ

（それから、思いっきり泣いた。）

マリコ

（泣いて、スッキリした。）

マリコ

（そりゃ、失恋したことは、悲しいけれどね）

マリコ

ありがと、やっぱり、優しいね、ハヤテくん。

ハヤテ

いえ…

マリコ

（そういって、ハヤテくんが笑った顔が、なんというか、すごく、

マリコ

かっこよかった…）

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