夜の帳が降りて
すっかり薄墨色に染まった山道を
1人、足早に歩く
化野明衡
化野明衡
化野明衡
化野明衡
自嘲的な乾いた笑いが その口から漏れた
化野明衡
化野明衡
化野明衡
化野明衡
化野明衡
束ねて仕舞ってある札(ふだ)の 1番下
他の札と一緒に束ねられた その1枚
それは、ずっと前に 明衡が書いたものだった
化野明衡
黒夜
化野明衡
黒夜
化野明衡
化野明衡
黒夜
この狐もやはり
魂の段階は違えど “同じ”なのだと実感する
化野明衡
黒夜
化野明衡
黒夜
化野明衡
化野明衡
黒夜
化野明衡
化野明衡
黒夜
黒夜
化野明衡
化野明衡
化野明衡
黒夜
化野明衡
黒夜
足を止めた黒夜に背を向けて
ただ、家を目指して足を進めた
・ ・ ・
数日後
雪
雪
雪
ため息をついて 文机(ふづくえ)に筆を置く
治療に使う為の札を書き始めてから
もう既に かなりの時間が経過していた
白來
雪
雪
白來
白來
雪
雪
白來
隣に座って
こてん、と 肩にもたれてきた白來の頭を
軽く撫でてやれば 白來はそっと目を閉じた
白來
雪
その額に軽い口付けを落とし
再び筆を手に取った
・ ・ ・
雪
白來
雪
白來
雪
白來
雪
尋ね人が
自分の気配を消そうとしているのを 感じ取り
薬を求めて来た者ではないと 判断する
雪
薬が目当てでないとなると
ここに用がある者は限られる
しかし“家”とは 関わりを断っていた筈
そんなことを考えながら 戸を開けた
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
雪
押し殺した怒りの声が
重たい空気を震わせた
雪
雪
雪
雪
頭を下げて出ていくその姿は
何かに安堵しているように見えた
雪
雪
雪
兄が死 んだ、という言葉を
否定する材料ばかり 探している自分に気が付いて
雪
雪
雪
深く息を吸い
文机の上の札に目をやった
第27話【否定の材料】
続く
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お久しぶりです! 時間に空きが出てきたので、やっと更新できました✨ お待たせしてしまってすみません… 書きたいシーンがあるので、これからもちょくちょく書いていけたらいいな、と思っています! 次回もよろしくお願いしますm(_ _)m