テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
藤澤涼架side.
ちゅんちゅんと小鳥の鳴く音がする
目覚ましのアラームが鳴る前に起きてしまったらしい
二度寝をするのはやめ、ベットから降りる
ぺちぺちと家を歩いて顔を洗う
半開きだった目がぱっちりと開き、頭が冷える
そのまま歯磨きをし、髪をセットする
パンをトーストにかけ、卵を焼く
大学進学と同時に一人暮らしを始めてから何年か経つ
けれどまだまだ料理にはなれない
卵焼きを作ろうと思ってもどうしてもできなくて
最後にはぐちゃぐちゃにしてスクランブルエッグにするしかなくなっちゃう
失敗した朝ご飯を食べて家を出る
大学に行く、いつもの道のり
昨日はあれからいろんなことがあって若井と仲良くなった
大学に入って元貴に続く二人目のお友達である
話してみると元貴の友達なだけあって
若井はとても明るかった
細かな気配りまでできて
小さい頃モテていたことにも納得だ
そしてすごく若井はお喋りだった
よく笑って、よく話す
なんとなく、表情がすぐに顔に出る元貴とにていると思う
そんなことを考えながら歩いていると大学に着いた
朝の早い時間なのにも関わらず
大学には人がいっぱいだ
みんなは僕がくるのを見つけると一斉に周りの人と話し出した
『今日はスカートじゃないんだ』 『久しぶりにまともな格好してる』 『でもまだ髪はあんななんだ』 『ピンク、?紫、?どっちにしろ頭おかしいけど』 『美由は昨日スカート履いてたって言ってたよね…』 『さっさと髪も切っちゃえばいいのに』 『目と鼻も整形したほうがいいと思うな』 『マジできもすぎ』
いろんな悪口が頭に響く
最近は僕の髪型や洋服のことだけでなく
僕自身の容姿に対する悪口も増えた
僕はこの顔、不細工なんて思ったことないけどな
ちょっとだけ泣きそうになって
手をぎゅっとと握りしめる
美由.
美由.
後ろから覗き込むようにして現れた女の人
甘ったるい声、威圧的なメイク
美由さんだ
黒くひかれた長いアイライン
音がなりそうなくらいの長い睫毛
髪から漂う香水の香り
全体的に威圧感のある雰囲気を漂わせながら美由さんは目を細める
fjsw.
美由.
『デニムとパーカーでおかま隠ししても髪型で隠せてないよ〜』 『キモすぎて吐いちゃう』
僕に向ける笑顔と対照的に美由さんは心の中で毒づく
美由さんは話が長い
どうでもいいことで話を伸ばして
それはきっと僕をたくさんの人の目に晒すため
美由さんはきっと自分が綺麗でモテることを知っている
自分が誰と喋っているか注目を浴びるのを知っている
だから僕をみんなの前に晒したくて長々と喋るのだ
wki.
美由さんの眉がぴくりと上がる
僕の背中に飛びついたのは若井だった
風邪は昨日の間に治ったらしく、元貴と一緒にきたらしい
若井の後ろに隠れていた元貴が僕の背中に隠れる
昨日若井に教えてもらった話だと
元貴は美由さんのせいで声が出せなくなったらしい
詳しいことは元貴から聞け、と言われた
wki.
『涼ちゃんおはよ。今日も髪型綺麗』
心の中と、そして口でそれぞれに挨拶する二人
笑いかけると、美由さんが面白くないとでもいいだげに溜息をついた
そして品定めをするように若井を見た
『、✨あの人かっこいー…』 『ぇ、あ、ぇ、あれ若井くん!?』
美由.
wki.
wki.
美由.
wki.
美由さんは若井を見ながらうっとりと心でつぶやく
『若井くんめっちゃカッコ良くなってる…』 『どタイプついてきてる』 『やば、本気出そうかな』
若井と元貴はそれも知らずに手話で会話している
美由さんの口の端が吊り上がる
鳥肌がたった
美由.
wki.
『なんで、この人、…急に僕のことまで』
困惑が隠せていない元貴と若井の美由さんは言った
僕を横目でちらりとみる
すると、急に美由さんは僕の腕に美由さんの腕を絡めた
美由.
美由.
美由.
ここで人物紹介を。
大田美由 大森と若井の同級生。 『僕の声が君に届くまで』で泣いた女の子 藤澤と大森のことが嫌い。 だけど若井のことが好きらしい。
美由ちゃんと大森さんの関係は 『僕の声が君に届くまで』をご覧ください
それでは改めてこんにちは
沢山の♡と💬ありがとうございます
この作品も♡と💬よろしくお願いします
それではまた
コメント
10件
わあぉ、、、 💙さんに手をだすんですか、、、 まじで結構やばいやつ、、 これからもつきまとわってくるんだろうな、、❤️さんがじぶんのこと💛ちゃんに話せたら、また何か進みそう… 声が治るきっかけなにだか楽しみ…!
若井逃げてー!
美由、俺はテメェを許さねえ!!!ってなりながら読みました。ギッタギタに叩きのめす準備はできてます( ◠ ‿ ◠ ) 続きが楽しみすぎて夢に出てきそうです!