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謎の空間
上層部
ホムロは全員殺られたか…
謎の少女
助けなくてよかったんです？
上層部
潮時だったからな
謎の少女
新しい駒を創造しますか？
上層部
いいや…
上層部
そのつもりはない
上層部
奴らは十分に役目を果たしてくれた
謎の少女
ホムロの性的趣向を…
謎の少女
あのような物にしたのは良い案でしたね
上層部
良いも何もあれでなければ意味はない
上層部
ホムロ達は送られた世界が異なる次元に存在する別世界だと信じていたが…
謎の少女
分岐する過去である事は知らない
謎の少女
それでいいのです
謎の少女
私達の未来に繋がるには…
謎の少女
ホムロとその遺伝子を持つ者達が必要なのですから…
謎の少女
私達が失った力を先祖が手にするために…
謎の少女
そうなのですよね？
上層部
………
謎の少女
違うのですか？
上層部
お前の言う通りだ
謎の少女
（なんだか含みがあるわね）
謎の少女
（でも、関係ない）
謎の少女
（私も上層部にとっては駒にすぎなんだから）
上層部
それにしても…
上層部
危機一髪だったな
謎の少女
鏡川…
謎の少女
私達の唯一の希望だったオリジナルのホムロ…
謎の少女
彼が逃げた時はヒヤリとしました
謎の少女
しかも時間を超えるなんて…
上層部
お前の働きには感謝しているぞ
上層部
元の時間に帰る術を捨てて…
上層部
そこにいるのだから
上層部
鏡川との絆があるせいか？
謎の少女
彼は不本意だったようですけれど
謎の少女
だから逃げられたのです
謎の少女
その後始末をしただけ…
謎の少女
何より…
謎の少女
もう過ぎた事です
謎の少女
だって私は今…
謎の少女
幸せですから
謎の少女
この時代…
謎の少女
いえ…
謎の少女
この世界では様々な香りを…
謎の少女
感じられるから
謎の少女
海や…
謎の少女
山…
謎の少女
食べ物の味も…
謎の少女
私達が失った物ばかりです
謎の少女
それに…
謎の少女
私が命をかけたおかげで…
謎の少女
ホムロの複製を創造できたのでしょう
謎の少女
すべては他者を操る…
謎の少女
香りを保有する人間を誕生させるため…
謎の少女
私達の三代前まで持っていた力…
上層部
そう…
上層部
お前が今いる時代から数百年の後…
上層部
特殊な体臭を持つ人間が生まれる
謎の少女
他者に夢と幻を提供する…
謎の少女
香術を操る香術師たちの時代…
上層部
だが、それも我々にとっては過ぎたるもの
謎の少女
特殊な香りに耐性のある…
謎の少女
野蛮な奴らとの戦いに負けたから
上層部
共倒れだがな…
謎の少女
今は生存の危機！
謎の少女
しかも…
謎の少女
私達の世代で…
謎の少女
最も強い香術の力を有していたのに…
謎の少女
鏡川…
謎の少女
アイツのせいで…
謎の少女
私達が紡いできた歴史、時間、空間が…
謎の少女
危機にさらされてしまった
謎の少女
本来なら…
謎の少女
私や…
謎の少女
他の仲間達の誰かが…
謎の少女
子を成し…
謎の少女
香術の力を継承できたのに…
謎の少女
それを拒否して逃げ出すなんて…
上層部
予想外だったな
謎の少女
ええ…
謎の少女
本当に…
謎の少女
どうして…
謎の少女
あんなにもうんざりしていたのか分からない…
謎の少女
だから仕方がないんです
謎の少女
確実に私達の世界に繋がるように…
謎の少女
画策しなければ…
謎の少女
未来はいくつも存在する
謎の少女
絶対に失敗はできない
上層部
ゆえに…我々は…
謎の少女
ホムロを遣わし…
謎の少女
何百年とかけて…
謎の少女
交り合わせたんだもの
謎の少女
私達の先祖とするために…
上層部
ああ…
謎の少女
ホムロ計画は成功したと言う事でよろしいですね
上層部
当然だ
謎の少女
けれど…
謎の少女
これで本当に未来に繋がるのか…
謎の少女
不安でもあります
上層部
なぜだ？
謎の少女
だって…
謎の少女
ホムロと交わった人間達が…
謎の少女
子をなすか分からない
謎の少女
この時代の人々は…
謎の少女
無理に交わるのを嫌うから…
上層部
どういうことだ？
謎の少女
私にも理解できません
謎の少女
（鏡川…）
謎の少女
（彼だって嫌だったから…）
謎の少女
（自分の体の一部を残した…）
謎の少女
（それが…）
謎の少女
（自分の複製体を…）
謎の少女
（殺せると分かっていたから…）
謎の少女
（私達と同じ世界の人間なのに…）
謎の少女
（あの男の感覚は…）
謎の少女
（ここの人達と似ていた）
謎の少女
誰も彼もが怒り…
謎の少女
嘆いている
謎の少女
それを私は見た
謎の少女
ホムロが殺されたのは…
謎の少女
それが原因でしょう？
上層部
バカな事を言う
上層部
交り合うのに痛みも苦しみもあるものか…
上層部
すべては快楽につきる
上層部
だから…
上層部
我々の世代まで命は続いているのだろう？
謎の少女
（それでも…）
謎の少女
（パパ活なんてものをしていた彼女ですら…）
謎の少女
（嫌がっていた）
謎の少女
（それに鏡川だって…）
謎の少女
（はあ…）
謎の少女
（アイツの最後の瞬間なんて…）
謎の少女
（今まで思い出しもしなかったのに…）
鏡川
お前は狂っている！
謎の少女
酷い言いぐさね
謎の少女
私達に感情なんてないでしょう？
謎の少女
とっくに失ってるんだから
鏡川
俺はずっと嫌いだよ！
鏡川
何もかもが…
鏡川
もやは…
鏡川
滅びつつある…
鏡川
香術に執着する上層部も…
鏡川
そのおもちゃにされるのも！
謎の少女
私達はうまくやっていたわ！
謎の少女
上層部も…
謎の少女
相性が良いって…
謎の少女
私と過ごしたあの瞬間のすべてを否定するの！
鏡川
何が相性がいいものか！
鏡川
人を人とも思わない怪物！
鏡川
触られるだけで気色がわるい！
謎の少女
それって…
謎の少女
この世界では…
謎の少女
大体…
謎の少女
女性が言うセリフよ！
鏡川
性別なんて関係あるか！
鏡川
どちらにしても…
鏡川
俺達は滅びるべきなんだ！
謎の少女
最後の最後まで分かり合えないわね
謎の少女
さよなら
謎の少女
（私の愛しい人…）
謎の少女
（私もバカね）
謎の少女
（この世界に来て…）
謎の少女
（感化されたのかもね）
グサッ！
謎の少女
ああ…
謎の少女
（ただ動かなくなった鏡川を見下ろしていた）
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
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