君を愛していたはずなのに どうして 君は君じゃなくなってるの? 目の前で咲き誇る花は 赤く、赤く 汚れていた。 優しくて偽りもなく ただ少しだけ悲しそうな君は クラスの人気ものでした 教室の真ん中で 孤独だった僕は 君が目に入るたびに 心が苦しくなってました きらきらとまぶしく光る君は 僕のことなんて 知らないだろう そのほほえみも笑い声も 全部全部 ほかの誰かのものだから 君を見ている資格はないと 私の 目は君を拒む。 月が怪しげに赤く染まるころ 怪物は人を食らうのだ まっかなりんごのように 熟れた心の蔵に そっとそっとナイフを突き刺す 街から人は消えてゆき 屍は土に埋もれてゆく 命には期限があるのだと 君は悲しげに笑う。 人の形をしてた はずだった それは肉壊と化して 言葉を発せないそれは いつか忘れられるだろう 君の顔は 醜くぐしゃぐしゃで 少しだけ 親近感を感じた僕は 己の弱さを嘆いた 誰かの死を 哀れみ、泣く彼の姿 それを見た 少年少女たちの 頬には同情の 雨を降らしたのだ 月が怪しげに赤く染まるころ 怪物は人を食らうのだ まっかなりんごのように 熟れた心の蔵に そっとそっとナイフを突き刺す 親しいものも消えてゆき 眠れない夜が続く日々を見て 死は身近にあるものなのだと 君はどこかを見つめていた 眠れなくて 君の顔が 頭から離れてくれないから ふと窓の外を 見ただけだった 日常だと思っていたのは 平和だったはずの場所に 血だまりを見る前までで 血の雨が降り注ぐ 街には君と僕だけで 二人静かに見つめ合って そして 人はいなくなる…
アムール
アムール
アムール