V
病室に、 僕ではない声が響く。
僕は急いで顔を上げて、 テヒョニヒョンの方を見た。
JUNGKOOK
テヒョニヒョンのずっと閉じられていた瞳が、 薄く開いていたのだ。
信じられなくて、 思わずテヒョニヒョンを睨むように見つめる。
V
JUNGKOOK
__テヒョニヒョンが、 目を覚ました。
そう理解して、 再びこぼれる涙。
テヒョニヒョンは自分の状況を理解できていないようで、 あたりをキョロキョロと見渡していた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
すぐさまベルを鳴らして、 かかりつけの先生を呼ぶ。
テヒョニヒョンの体にとくにこれといった異常もなく、 後遺症もないだろうと言われ、 僕は心からホッと安心した。
テヒョニヒョンが、 いなくならなくてよかった…。
テヒョニヒョンが目を覚ますまで、 生きてる心地がしなかった。
それほど、 僕には辛かったことで…。
V
V
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
V
V
V
V
V
テヒョニヒョンはそう言うと、 ベッドの横に座っていた僕を、 少し身を乗り出すようにして抱きしめた。
V
V
JUNGKOOK
V
…今度は、 だなんて…、 そんな言い方おかしい。
JUNGKOOK
そう言った僕に、 テヒョニヒョンは満面の笑みを向けた。
__________
テヒョニヒョンの入院生活も、 今日で1週間になる。
今日の最終検査で、 異常がなければ退院できるらしい。
僕はいつものように、 学校帰りにテヒョニヒョンのお見舞いに来ていた。
JUNGKOOK
勢いよく扉を開けて、 病室に入る。
なぜか、 テヒョニヒョンの顔が青ざめているように見えた。
僕が来たのにも気づいていないのか、 なにかにひどく動揺したように布団をギュッと握りしめ、 自分の拳をみつめていた。
JUNGKOOK
近づいて、 名前を呼んでみる。
すると、 テヒョニヒョンはハッとした表情で、 すぐに僕のほうを見た。
V
無理に作ったような笑顔。
その笑顔をきっかけに、 どこか違和感を覚える。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
V
やっぱり、 どこか変だ…。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
V
JUNGKOOK
JUNGKOOK
自然と頬が緩む僕とは裏腹に、 テヒョニヒョンは表情を曇らせている。
やっぱり…、 何かあったのだろうか。
気になったけど、 テヒョニヒョンが言いたくなさそうにしているので、 僕から追求するのはやめた。
JUNGKOOK
V
7月7日。
織姫様と彦星様が、 会える日。
JUNGKOOK
そう言うと、 僕の言葉にテヒョニヒョンはわかりやすくピクっと反応をする。
…様子がおかしすぎる。
…やっぱり、 気になるよ…
V
V
なんだか生気のない声で、 僕に向けられた言葉。
『いつもの願いごと』
JUNGKOOK
JUNGKOOK
僕は、 毎年同じ願いごとをしていた。
いつもマンションのラウンジで、 テヒョニヒョンと一緒に書いていたから、 テヒョニヒョンはよく知っている。
…って言っても、 その願いごとはちょっと違う。
…いや、 違うということは、 ないけど…
本当は、 『テヒョニヒョンのこいびとになれますように』 って、 書きたかったんだ。
でも、 テヒョニヒョンが隣にいたし、 テヒョニヒョンにも願いごとが見られちゃうから、 毎年遠回しにそう書いていた。
テヒョニヒョンのこいびとになって、 テヒョニヒョンと一緒に成長していって、 テヒョニヒョンと一緒に歳をとっていくのが、 僕の夢。
『大好きなテヒョニヒョンと、 ずっと一緒にいられますように』
家族がいなくなった、 僕の唯一のゆめだった。
V
テヒョニヒョンは、 そう言って僕に優しく微笑んだ。
V
…?
どうしてそんなこと聞くんだろう。
暗い顔で変な質問をするテヒョニヒョンに、 僕は首をかしげる。
けれど、 テヒョニヒョンはじっと僕の待っているので、 返事をしてみることにした。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
この発言のどこに、 間違いがあったのだろうか。
テヒョニヒョンは、 なぜかこの世の終わりみたいな表情をした。
するとその瞬間、 僕は目を見開いて、 息をするのも忘れた。
JUNGKOOK
だって、 テヒョニヒョンが、 今にも泣きそうな顔をしているから。
V
JUNGKOOK
この時、 僕はテヒョニヒョンに、 なんて言葉をかけたらよかったんだろう。
それは…、 今でも分からないまま。
そして、 運命の日はやってくる。
_________
コメント
30件
運命の日!!!もしかして、付き合う?...。送れた時間すみませんm(_ _)m