シグマ
おいゴーゴリ、その子は……
彼女をソファにそっと落とした時、後ろから声がかかった。 少し怯えたような声は、ドアに軽く隠れるように立った鳩羽と銀のツートンヘアの青年だった。
ニコライ
あらまシグマ君居たの!?見られちゃったかなあ
大して驚いちゃ居ないけれど、道化のようにお退けて見せる。
(名前)
んん……
ニコライ
おっと
彼女が起きるところだった、と唇に人差し指をつけた。
それを見た青年は
シグマ
……私は知らんからな
とだけ言って去っていった。 つれないなあ……
一瞬大きく開かれた鳩羽の瞳に引っかかり、その先だった少女の方へ振り返った。
(名前)
……誰…?
久しぶりに言葉を発した、みたいに彼女の声はかすれていた。
まあ其れは草加。 全て企てられたことなのだし……
ニコライ
ハァーイ!!御機嫌よう!
寝起きの耳に、ピエロの笑い声。







