オリたちのお部屋

ーーーー！！！！！

近くに迫る黒い影

尖った爪が左腕に刺さり

引き寄せられる

頭の上に黒い輪っかを付けられる

いつもの温かさ

よく頑張ったな。ルーク

あーあ、綺麗な髪が台無しだ

左手も、

痛かっただろ

いや、お前は天使だ

大丈夫

誰よりも優しいから

お兄ちゃんの後ろから迫る黒い影

手を伸ばしてきて

お兄ちゃんの頭の輪っかを引き剥がした

っ…は、…

…ルーク…、

お前、人間のこと好きだろ…？

人間と暮らせ

お前ならできるさ、

大丈夫。

愛してるよ。

そういうとお兄ちゃんは

僕を人間の住む所に落とした。

ドサッ…！

きゃー！！！

人間……じゃないっ…

誰か！霊媒師に連絡して！！

まだ子供だ！生きてる！！

人間が沢山

男に女

子供も

みんな僕を見てる。

お兄ちゃんの顔が思い出せない。

10:23

生物を拘束する

ガシャン！

大きな部屋に一人ぼっち

手錠をかけられて

変な首輪もつけられた。

何度考えても

お兄ちゃんの顔が思い出せない

命の恩人なのに。

僕のせいで……

5年ぐらい経った

あれから何度も考えた

お兄ちゃんの顔

でも、思い出せない

綺麗に、顔だけ

ギギギギ…

部屋の隅でうずくまっていると

扉が開いた。

まだ小さい男の子だ。

…中学生、ぐらいかな…

弦という16歳の男の子

この年で霊媒師やってるって。

僕は弦が好きだった。

どこか、お兄ちゃんに似てる気がした

でも、幸せはそう長くは無い。

こんな体のせいで

弦と離ればなれになってしまった。

これは僕が悪い

何をされても文句は言えない

案の定

僕は、悪魔として処分された

弦に伝え忘れたことを込めて

頭の輪っかを2つ届けた

今頃、何してるのかな。