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「六月の君の嘘 第八話」 六月三十日。 梅雨が終わる最後の日であり、 私が蓮とお別れしなきゃいけない日でもある。
秋原 蓮
雨宮 凛
私は、蓮と海に来た。
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
蓮は、車椅子で来ていた。 本当は、まだまだ入院してなきゃダメなのに、 事情をしった涼が、 看護師をしている涼のお母さんを説得させたのだ。 近所の海ならいいと病院から許しをもらって、 こうして海に来ているのだった。 今は、夕方の6時。 タイムリミットまで、あときっかり6時間だ。
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
蓮は、私の左手の薬指に銀色の光り輝く指輪をはめた。
秋原 蓮
雨宮 凛
蓮の左手の薬指にも、同じ指輪があった。
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
少しでも、思い出を残しておきたかった。 いずれ、忘れ去られてしまう存在でも、 自分が愛した人の思い出は、心の底に残り続けるから。 私たちは、夕日を眺めながら、固く手を握り合った。
秋原 蓮
雨宮 凛
雨宮 凛
雨宮 凛
雨宮 凛
秋原 蓮
他愛のない話なんかをずっと話した。 もう、残された時間は少ない。
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
雨宮 凛
雨宮 凛
雨宮 凛
秋原 蓮
雨宮 凛
秋原 蓮
秋原 蓮
雨宮 凛
午後11時 55分。 12時まで、タイムリミットまで、後、五分。 私たちは、最後のキスをした。 熱く、どこまでも熱いキスを。 そして、顔を見合わせた。 あと一分。
秋原 蓮
雨宮 凛
次の瞬間、カチッと頭の中で長針と短針が重なる音がした。 ああ、終わりが来たんだ。 そう悟った。 蓮は魔法をかけられたように、目を閉じた。 ああ、記憶が上書きされているのか… そう思うと、切なかった。 私の体がゆっくりと浮かび上がり、光り輝き始める。
雨宮 凛
雨宮 凛
愛しい人。 愛しい人。 あなたは、私に何もかもくれたわ。 人と向き合う、勇気。 たくさんの光り輝く思い出。 再び会うという約束も。 だからどうか、元気でいてください。 蓮、あなたと過ごした時間、思い出は、 あなたが忘れていても、私の中に永遠に残り続けるから。 どうか、幸せになってください。 あなたの幸せが、私の幸せでもあるから。 こんな私を受け入れてくれたあなた。 しっかりと受け止めてくれたから。 どうか、幸せになって。 愛しい人。 また来年、会いましょう。