私はどこかの屋上まで来てしまった
夏帆
そう言って私はフェンスを登る
昇格なんてどうでもいい
ただ1年前、あの日の凛ともう一度会いたい
それ以外には何も無かったから
夏帆
夏帆
昇格
その言葉で私は吹っ切れてしまった
素直に喜べない、それが何を意味しているか
行き着く先は終わり
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
冷たい風が吹いていた
私の髪が、ふと揺れた
その瞬間、私の足が動く
ああ、もう終わりにしよう
夏帆
グッと目を閉じた
しかし数秒間、何も起こらない
夏帆
思わず私は目を開いてしまった
そこには、妹がいた
夏帆
凛
凛
凛
凛
凛
そう言うと妹は最初から居なかったかのように
風に吹かれて消えていった
夏帆