その言葉は質量を持ったかのように
重く俺の胸の奥に居座った
🗽
私は100年以上も前から来たの
🍈
……
🗽
あの災害から村のみんなを救うために
🗽
めろちゃんは古文書を読んだんでしょ?
🍈
さっきね
🗽
じゃあ色々わかっちゃった訳だ
意味深そうに言うとじゅはちは振り向いて
🗽
私の名前あったでしょ
🍈
……
🗽
しかも土砂崩れの死者、行方不明者名簿のとこに
そう
なぜ目の前にじゅはちはいるのに名前があったのか
そこだけが不可解だった
🗽
私ね巫女なんだ
🗽
あの壊れた神社の
🗽
あの家で生まれて自然と巫女として育てられた
🗽
だから私は村のみんなに必要とされて
🗽
愛されて育ってきたの
🍈
……
村の人と気さくに話すじゅはちの姿が浮かんだ
🗽
だからね
🗽
私は雨が降っていようとみんなのために祈りを捧げなきゃいけなかった
🗽
それが私のできる最大の恩返しだったから
でも、と1拍置いて
🗽
雨は想像以上に酷かった
🗽
村の人たちも山に来るのが精一杯
🗽
でも私が祈りの体制に入ってたから祭りは始まった
🗽
そして、
あの土砂崩れが起こったの
そういうじゅはちの声は消えかけていた
🗽
私だけが神社の中にいて外の様子がわからなかったの
🗽
普通なら見守ってくれてるはずなんだけどね
🗽
様子がおかしくて祈りを中断してまで外を見たの
🗽
そしたらね、
そこには何もなかったの
🗽
村の人も
🗽
山の木々も
🗽
村自体がなかったの
そういうじゅはちの手は震えていた
声もか細い
🍈
じゅはち……
🗽
大丈夫最後まで聞いて
🗽
私が村に降りたらね
🗽
みんながびっくりしてたの
🗽
土砂崩れでの被害のこと
🗽
私の両親も無事ではなかったこと
🗽
そして、
そこはその事故から何十年も経ってたこと
🗽
私は現実が受け止めきれなかったんだ
🗽
それでもう1回あの神社に戻ったの
🗽
かろうじて中には入れたから
🗽
そして外に出てみると
🗽
やっぱり時間の流れが違ったんだ
そこで俺は疑問を落とす
🍈
何十年ってどういうこと?
🗽
多分50年くらい経ってたんじゃないかな
🍈
50年……
🗽
多分祈りの時間が長かったからかも
🍈
長かった?
🗽
巫女はね
🗽
事前に3日間体を清めるために神社に籠るの
🗽
それで神様に近づけるって言われてる
🗽
だから私が神社に入った時点で時間の流れは違ったのかなって
🍈
そう、なんだ…
上手く言葉が出なかった
なんか話が壮絶すぎて
祈りを中断して外に出てみたら同級生が全員年老いてる
考えられなかった
🗽
そうやって私は何度か神社の中で過ごして未来に行ったんだ
🗽
そのうちにこの前言った過去にも行けるんじゃないかってことに気づいてね
🗽
過去に戻れるならみんなを救えるんじゃないかってきづいたの!!
🗽
私はその方法を見つけたかもしれないの
🍈
かも?
🗽
なんとなくだからね
🗽
1回行った気はするんだけど
🗽
明確な記憶が全然なくて
🗽
試行錯誤を繰り返してたら
🗽
つい神社内で眠ってしまったんだ
🍈
それを俺が見つけたってこと?
🗽
そう!
🍈
えじゃあなんであの時俺の名前を呼んだのかわかったってこと?
🗽
いや
🗽
それは全然
🗽
てゆうかほんとに呼んだの?
🍈
呼んだよ!!
🍈
知らない女の子が急に名前呼ぶから
🍈
びっくりしたよ
🗽
いやー全然覚えてないんだ
🗽
ごめんね
こんな呑気な会話をしてる暇はないはずだが
と思っていたらじゅはちが真剣な顔で
🗽
だからめろちゃん
🗽
私に手を貸してほしい
🗽
一緒にみんなを助ける手助けをしてくれないかな
一度は断ってしまったお願い
でも俺は知ってしまった
こんな華奢な女の子が背負ったあまりに大きな重荷を
確かに怖さはある
でもじゅはちを1人にしたらつぶされてしまいそうで
そっちのが俺にとっては怖かった
だから
🍈
うん
🍈
俺も手伝うよ
🗽
めろちゃん…
🗽
めろちゃーーん!!!
気づいたら彼女に抱きしめられていた
俺は抱擁を受け入れ腕に力を込める
🍈
俺もがんばるから
そう
この時の俺はまだ彼女の重荷を少しくらいなら一緒に背負えるだろうという慢心があった
それが間違いであったということに気が付かずに






