主
主
主
主
主
主
主
家を出て見慣れた通学路を今日も歩く
チュンチュン
チリンチリン
「行ってきまーす!」
そんな色んな音が飛び交う朝
変わりのないもの
けどそんな物も何れかは崩れる
ただそれがいつかっていうだけ
まぁそれが今だとは考えても なかったけど
??
後ろから聞こえてきた俺の名前
りい❤️
そう言って振り返って俺は固まった
りい❤️
??
処刑する人
りい❤️
やっぱり駄目なんだよ
失敗したら終わりだったんだよ
君も一緒に死ぬって言ったのに
なんだ、結局俺だけじゃん
りい❤️
りい❤️
処刑する人
相手がそう言ってきた
りい❤️
俺は素直に首を差し出した
首を落とすための刃物が光る
りい❤️
こんな時ですら君が頭を過る
スッ
刃物が落ちてくる音がした
りい❤️
そう思ったのと同時に俺の体は揺れた
さと💗
そう言って君が俺の手を引く
りい❤️
さと💗
処刑する人
後ろから俺たちを呼び止める声が ぼんやりと聞こえてくる
それを遮るように俺は君に問いかけた
りい❤️
さと💗
さと💗
さと💗
さと💗
りい❤️
さと💗
さと💗
さと💗
さと💗
りい❤️
さと💗
さと💗
さと💗
さと💗
りい❤️
涙が溢れる
君は1度も俺の方を振り返らず 手を引いたまま走り続けた
それにまた俺も続いて走る
どこに行こうとしてるのなんか 分からない
でもひたすら走り続けた
この狭い国に逆らうように…
ガシャンッ
勢いよく廃工場の屋上の扉を開く
この廃工場はここら辺で1番高い建物 で近づく人なんて居ない
なにせかなりの距離があるのだ
そんな長い距離を走ってきたけど
ここまでどの道を通ってきたかなんて 分からない
道が分からないくらい無我夢中で 走った
だけどまだ追いかけてきていた
音が聞こえるんだ
「捕まえろ!」「殺せ!」
そんな声が俺の背中に突き刺さる
さと💗
君はそう言いながら屋上の鍵を閉めた
りい❤️
さと💗
りい❤️
さと💗
さと💗
そうだ、俺が死ぬのは確定なんだ 2人で生きるなんて無理なんだ
りい❤️
ガチャガチャ
鍵をこじ開けようとする鉄の音が 空高く響く
不気味な程に綺麗な音だった
さと💗
りい❤️
りい❤️
チュッ
そう言いかけていた俺の口を君が 口で塞ぐ
さと💗
りい❤️
なんでこんなことを言ってるのかも 分からない
それから君はフェンスに足をかけた
りい❤️
俺もつられるように足をかける
さと💗
そう言われて手を差し出した
すると君は俺の手を握って もう片方の手で何かを指さした
さと💗
そう言われて俺は指が指してる 方向を見た
その時俺が見たものは言葉では 表せないほど綺麗なものだった
碧の草木が揺れる
その葉と葉の隙間から太陽の光 が差し込む
そして世界がキラキラと輝いた
りい❤️
と思わず声が出る
すると君は少し微笑んで
さと💗
さと💗
さと💗
と言った
俺が「だね」と言おうとしたその瞬間
バコンッ
処刑する人
処刑する人
あいつらがドアをこじ開けて 入ってきた
さと💗
さと💗
さと💗
りい❤️
りい❤️
りい❤️
さと💗
それから君は前を向いてある言葉を 落とした
さと💗
君がそう言った瞬間強い風が吹いて 俺たちの体をあの世界へ押し出した
フワッ
体が浮いた
優しい光に包まれていく
隣の君のピンクの髪が靡く
りい❤️
そう言うと君は俺の方を見てにっこり と笑ってみせた
俺も笑い返す
さと💗
君がぽつりと言った直後に俺たちの体 は地面に叩きつけられた
りい❤️
りい❤️
りい❤️
りい❤️
最後の力を振り絞って君に声を掛けた
ギュッ
君も最後の力を振り絞って返事をするかのように手を強く握ってくれた
それからまもなく俺たちは息絶えた
遠のいていく意識の中で聞こえた
「2人とも幸せそうな顔だな」
と言う言葉を聞いて何故か 安心してしまった
来世があるかは知らない
だけど俺は何度でも何度でも、 君と幸せになるんだ_
俺には君が必要不可欠だから___
END
主