心配そうに私を見る貴久の目は真剣。
試合に勝ったのに貴久は嬉しそうじゃない。
この場から逃げるように歩く貴久を必死に追いかける。
なんでそんな顔をしてるの?
○○
貴久、なんかあった?
増田
それ、俺のセリフだから。
俺、バカだけどお前のこといつも見てるから分かるんだよ
俺、バカだけどお前のこといつも見てるから分かるんだよ
○○
……
増田
俺にしとけよ。
好きなんだろ?手越。
好きなんだろ?手越。
増田
お前の辛そうな顔。
見てらんねぇよ。
アイツ、彼女いるじゃん。
アイツのことなんてやめて
俺にしとけよ。
見てらんねぇよ。
アイツ、彼女いるじゃん。
アイツのことなんてやめて
俺にしとけよ。
待って……
訳が分からないよ。
増田
好きなんだよ。お前のことが。
貴久は私のことが好き…
増田
好きだよ。○○。
貴久の真剣な目が私を捉える。
増田
だから…アイツのことなんてやめて俺にしとけよ。
俺ならお前のこと絶対に泣かせない自信あるんだけど。
俺ならお前のこと絶対に泣かせない自信あるんだけど。
アイツは、手越くんの事だよね。
なんで私の気持ちを知ってるの…?
でも…
貴久とは付き合えない。でも………
この関係は崩したくない。
それに、貴久の気持ちに向き合えない。
そう思う私はワガママですか……?
でも………
これは返事しなきゃいけない感じ。
○○
でも……わたしは………
私は…私は…
手越くんのことがすきなの。
増田
ごめん。
気持ちなんて変わらないよな。
困らせて本当にごめん。
でも俺の気持ちを知って欲しかったから。
ずっと辛かったんだよな?
気づいてやれなくてごめん。
気持ちなんて変わらないよな。
困らせて本当にごめん。
でも俺の気持ちを知って欲しかったから。
ずっと辛かったんだよな?
気づいてやれなくてごめん。
○○
そんなことっ…ない。
私こそごめん
私こそごめん
ごめんね。貴久。 今までの状況を冗談で誤魔化そうとして。
増田
○○はなんも悪くねぇよ。
自分の気持ちより私の気持ちを優先してくれた貴久。ねぇ、優しすぎるよ。
貴久はこんなにも温かくて優しい。
ごめん。ごめんね貴久。
私の為に貴久は胸を痛めてくれてる。
手から感じる少しの震えから伝わってきた。
だから余計に涙が……
いつまでも私の頭を撫でてくれる貴久。
増田
ずっと辛かったんだよな?
その一言が私の気持ちをわかってくれているような気がして、その一言に救われたんだ。
そろそろ日が暮れて、帰る時間。
増田
気まづくなるとか俺嫌だからね。
おまえと話せなくなるのは俺がき
つい。
おまえと話せなくなるのは俺がき
つい。
強いね。貴久は。私のことばっかり。
ごめんね。貴久……そして……
○○
ありがとう。
増田
泣きたくなったら俺のとこ来
いよ。
どんな時でも飛んでいくから。
いよ。
どんな時でも飛んでいくから。
心配かけてばっかでごめん。
今日は貴久の優しさに救われたよ。
きっと今日は貴久がいなかったら乗り越えられなかったよ。本当にありがとう。貴久。
つづく…