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シャブシャブ 獄中自叙伝

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シャブシャブ 獄中自叙伝

335 - 嘘みたいに黄色い布団が干してあるのを見た ブラジル人受刑者 あれで寝てキモティカ?

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2024年01月10日

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シャブシャブ

ミラーマンが
モタ工場から消えた

シャブシャブ

普通は雑居房で
夜中にせんずりこいたら
一発で退場だが

シャブシャブ

モタ工場の
お爺ちゃんたちは

次にせんずりをやったら
退場と云う約束を
ミラーマンと交わしていた

シャブシャブ

モタ工場だけあって
おじいちゃん達にも
優しさはあった

シャブシャブ

それにもかかわず
ミラーマンはシコるのをやめず
夜中に栗の花を咲かし続けた
雑居房を栗畑にした

シャブシャブ

ある日の夜中に
おじいちゃんのひとりが
ミラーマンの精液の匂いで
むせはじめた

シャブシャブ

あまりに強い
栗の花の匂いに誘発されて

おじちゃんの
のどちんこが
刺激されたと思う

シャブシャブ

おじちゃんは
しばらくはゲボゲホと
咳こんでいたが

そもそも喉の筋肉が
弱っているせいで
呼吸が上手くできていない

次第に苦しそうな
表情を浮かべ始めた

シャブシャブ

雑居房の房長が
ついに刑務官を呼んだ

雑居房で騒げば
全員が懲罰送りだ

それでも呼ばざる得ないと
判断したんだろう

シャブシャブ

やって来た刑務官の2人も
満開の栗の花の香りに
涙流してむせとった

精液の匂いを
まき散らしている
犯人探しをするまでもなく

ミラーマンはそのまま
懲罰行きになった

シャブシャブ

そのおじいちゃんも
刑務所にある
病棟にいた医務官に

寝ていたらいきなり
栗の花に遭遇したと説明

灰のかかった
枯れ木しかいないような
モタ工場で

満開の栗の花が
咲いたみたいな

花咲かじいさん的な
話をしたため

認知症と診断されてしまった

シャブシャブ

当然、ミラーマンは
モタ工場からも追いだされた

しかし
雑居房にはミラーマンの
強い生命力の匂いだけが
しばらくは残ってた

シャブシャブ

ミラーマンが
どこの工場に行ったのかも
分からなくなり

シャブシャブ

俺はミラーマンを捜したが
どこの工場の奴に聞いても
居場所は分からなかった

シャブシャブ

刑務所の中で
人を捜すとなると
洗濯係に頼むしかない

別の房への
連絡・伝言を頼んでも
返事が返ってくるのは
1-2か月先が普通だ

それでも
俺はミラーマンを捜し続けた

シャブシャブ

名古屋刑務所の刑務官から
リンチを受けて死んだ説まで
流れは始めた

シャブシャブ

ミラーマンには
懲罰房でもいいから
生きてて欲しいと
俺は祈ってた

シャブシャブ

俺はミラーマンとは
仲が良かったから

ミラーマンから
障がい者手帳を持っていること

障がいのおかげで
国からお金がもらえると
話しているのを聞いていた

障害の理由は聞かなかったが
知的障害はあったと思う

施設で育ったので
親にも会ったことがなく
そして、字も書けなかった

そんなことがあって
俺はミラーマンを心配してた

シャブシャブ

名古屋刑務所では
1か月に1回
布団を干す日がある

鉄棒がいくつか
並んでいて
そこに干すのだが

俺は工場への行進の際に
ミラーマンの
妊娠してる布団を捜したが

黄色い布団だけが
季節が変わっても
見つけることはできなかった

シャブシャブ

嘘みたいに黄色い布団が
干してあるのを見た
ブラジル人受刑者が

あれで寝てキモティカ?

あの言葉すら懐かしかった

シャブシャブ

ミラーマンのことが
ようやく分かったのは

俺が仮釈放で
出所する当日の朝だった

シャブシャブ 獄中自叙伝

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