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深夜と呼ぶにはまだ早い夜21時、都内某所で行われた会議やら打ち合わせやら顔合わせやら、今日一日詰まりに詰まりまくったスケジュールをなんとかこなし、数日前から溜まっている諸々の雑務については一旦忘れることにしてシェアハウスの扉をくぐる。
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疲れた、という感情が存分に乗った弱々しい声が低くこぼれる。
ほんとに疲れた。緩慢な動きでのろのろと靴を脱ぐ。もちろん疲れだけではなく楽しさもあるのだが、今、頭の中は『疲れた』の三文字で埋め尽くされている。
リビングから微かにカチャカチャという生活音が聞こえる以外は至って静かだ。皆、各々自室で趣味に勤しんでいるのかもしれない。
肩にかけていたデイバッグを下ろし、シェアハウスのメンバーたちの顔を思い浮かべ靴をそろえる事なんてすっかり忘れて一歩踏み出す。
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穏やかな、高い声が降ってきた。
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かわいい! と思わず心の声が間違って出そうになったがなんとか踏みとどまる。相変わらずの癒しオーラを纏ったカラフルピーチのペット枠、もとい可愛い担当どぬくだ。
うん、今日も俺たちのどぬは可愛い。
少し低い所にある目が嬉しそうに見上げてくるその様子は彼のキャラクターさながらほんとに頭の上に耳が付いていてもおかしくないかもしれない。うん、ぶんぶんと揺れる尻尾も見えてきたかも。
思わずじっと見つめたら「ん?」って首を傾げてきた。
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あ、踏みとどまれなかった。 不思議そうに笑うどぬの手がゆっくりと口元へ添えられる。─ん?
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彼の手元にはお玉が収まっており、よくよく見たら逆の手にはお鍋が握られていた。
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一度手元に視線をやった後キラキラとした目がぱっとこちらに向く。えへへとはにかんだどぬから、今日一つ目のキュン死攻撃が降ってきた。
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お帰りなさい、じゃっぴ、 お味噌汁飲む?✨
はい、可愛い(3回目)
少し舌ったらずな甘い声が妙にくすぐったくて心地いい。身も心も疲れきって帰宅したら可愛いおかえりと共に用意される暖かいお味噌汁。
最高じゃないか─。
胸に深くしまい込むように聞き入ってたら、更なる攻撃が降ってきた。
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一息にかけられたフレーズが、疲れてバグった脳にあるシチュエーションを連想させる。 これは─、
『あなた、ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ・た・し?』
では───!!!???
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思わず脊髄反射で『わ・た・し』を選ぼうとしたのを遮るように、相変わらずのイケボとともにゆあんがぬっと顔を出した。
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ちらりとこちらを見たゆあんの眉が呆れたように下がるのが見え、下心がバレたのを知る。
出会った頃と比べて随分と低くなった声のせいで牽制効果も抜群だ。
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ゆあんくんに連れられてどぬがリビングに戻っていく。
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壁を隔てた向こうからやりとりが小さく聞こえてくるのが面白くて思わず笑ってしまう。
ずっしりのしかかっていた疲れはすっかりどこかへ飛んでいったみたいだ。
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リビングに入るとテーブルの上にお椀とお箸ががちょこんと添えられ、その後ろで腰に手を当てたどぬが唇を尖らせている。
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お椀からはゆらゆらと湯気が立ち上っている。
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嬉しそうな表情にパッと切り替わったかと思えば相変わらずの滑舌を弄られぷんすこ怒っている。
くるくる変わる表情にすっかり頬も緩んでしまう。
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ほかほかのお味噌汁を一口すすり、考えながら余韻に浸る。おかわりあるかな?あー、冷えた体にまじ沁みる。内側から暖まっていくのを実感しながら惚けていると、ややトーンの下がったのあさんの声がピシャリと降ってきた。
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ゆあんくんの手厳しいツッコミが飛んできた気がするがそれどころじゃない。 どぬが紡ぎだす可愛いワードセンスにもうほっぺたどころか口角もきっとゆるゆるだ。
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仕事放っぽっても絶対食べに帰るし!
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最初は呆れていたゆあんくんとのあさんもいつの間にか俺側に来て、3人対どぬちゃんと言う図になってのお願いだ。
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採用!!!!!
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困ったように笑うどぬちゃんには少し申し訳ないけど、あったかい味噌汁の誘惑にはやっぱり抗えないわけで。
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お願いします!!!
笑えるくらいきれいに3人の声が揃った。