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最終的に週2で半ば強制的に決まった お味噌汁担当が始まってからはや10回目。
帰りが遅くなりがちなじゃっぴが全然帰ってこない。
困った、、、。 今までは連絡くれてたんだけどなあ。 時間を持て余してキッチンと休憩室を何度も行ったり来たりする。 キッチンに置かれたデジタル時計はもう20:50だ。
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休憩室のテーブルに一つポツンと佇むお椀を見つめ、小さくため息が洩れる。
今日は珍しくもふくんとシヴァさんにも振る舞ったから危うくなくなりそうになって慌てて確保した最後の一杯だ。 空っぽになったお鍋はもう片付け済み。さっさとシンクもキレイにしちゃいたいのだけど、このお椀を洗う時にまた汚れちゃうし。
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一つため息をついて、 俺なんか主婦みたいじゃね? と、そんなキャラじゃないのに自分で笑っちゃう。
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リーダーを務めている彼が誰より多忙で、誰より頑張りやなことを知っているから腹は立たない。腹は立たないのだけど、とりまこのお椀によそった味噌汁をどうしようかと、途方には暮れてしまうのである。
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腕をぐっと上げて一つ伸びをしたあと、 お椀の前の椅子を引き、座り込む。
ひとりぼっちの室内はシン─と静かで、 身動ぎによって鳴る布ずれの音がやけに耳に障り寂しくなっちゃう。 誰もいない空間を見るのも嫌で机に突っ伏してじーっと待つことにする。
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静かだ、、、
普段じゃ気にもならない冷蔵庫のジージーとした単調な機械音が一定のリズムで聞こえてくる。 それが子守唄のようでだんだんと夢の中へと意識が薄れていく─。
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唐突に響いたよく通る声に慌てて跳ね起きる。
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たっつん特有の早口マシンガントークから唐突に【おかん】が出て来て、子供じゃないんだからと笑ってしまう。
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冷蔵庫から取り出した炭酸を一口飲んでプハーって唸ったたっつんが近づいてきた。 少しトーンを落とした柔らかい声に、慌ててかぶりをふる。
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たっつんがデジタル時計の方に顔を向けたので釣られて見る。 いつの間にか21時を回っていたみたいだ。
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たっつんってほんっとたまに唐突に優しくなるよな
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会話もそこそこにお椀を手に食べ始めた。ってかお箸いつの間に取ってきたんだろ。さすが効率厨。
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相変わらずのマシンガントーク笑 ちょっとおじさん越えておじいさんみたいになってるって思ってしまったけど、1対1だと絶対に言い負かされるので賢い俺は黙ってる。
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今日はなんかいっぱい振る舞ったからちょっと疲れて眠くなってきたかも。 たっつんの言うとおりさっさとお風呂入って部屋戻ろ。
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ほどよい充実感で気持ちよく布団にもぐったから知るよしもなかったんだけど、あの後、深夜に帰って来たじゃっぴが
「お味噌汁が無い!」
って駄々を捏ね、仕方なくたっつんが作るはめになるって言うちょっとした事件が発生してたらしい。
たっつん、ごめんね!