マッキー
雄介
不意に、あの夜の中に放り出されたような錯覚を覚えた。
『まさかお前あれ?BLってやつ?』
『お前桜汰から離れろよー。桜汰は七森がいーんだからさ(笑)』
中学2年の林間学校。
俺が自分の中に芽生え始めていた小さな恋心から目を背けた、あの夜に。
海生
ガタッ
桜汰
突然立ち上がった俺に、3人の注目が集まる。
桜汰
雄介
マッキー
桜汰
海生
海生
桜汰
いちかばちかで送ったアイコンタクトが海生に通じた。
桜汰
マッキー
雄介
海生
海生は律儀にトイレの方向を指をさして、
海生
桜汰
桜汰
桜汰
海生
階段を一番上まで上り、屋上に出るためのドアを前にして海生が首を傾げた。
海生
桜汰
桜汰
海生
桜汰
念のため、踊り場の奥まで行ってから壁に寄りかかるようにして座った。
ここなら完全に死角だ。
桜汰
海生
桜汰
海生
桜汰
シャツの袖を軽く引いて、海生の耳元に口を近づける。
桜汰
海生
海生
桜汰
LGBTQだの、多様性だのと言われて、世間的には寛容な風潮だけど…
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
桜汰
海生
桜汰
海生
海生
海生
桜汰
桜汰
桜汰
桜汰
桜汰
海生を見習って、ストレートな物言いにしてみたはいいものの。
桜汰
海生
海生は甘く微笑んで、
海生
真っ赤になっているであろう俺の頬をなでる。
桜汰
桜汰
桜汰
――そう、思ったのだが。
昼休み。
いつものように、海生の席で一緒に弁当を食べていると…
桜汰
海生
桜汰
桜汰
海生
桜汰
ぱく。
桜汰
海生
と、俺の箸から、食べかけの卵焼きをそのまま食べてしまったり。
体育の時間。
休憩中に、コートの外で並んで座っていると…
海生
桜汰
海生
雄介
無防備に、俺の肩にもたれかかってきたり。
雨の日の下校時。
桜汰
海生
ぐいっ
桜汰
海生
海生
相合傘で肩を抱いてきたり…。
桜汰
海生
海生のゼロ距離攻撃にたまりかねた俺は、ついに抗議の声を上げた。
海生
桜汰
海生
桜汰
海生
海生は俺の言葉をきょとんと繰り返すだけだ。
桜汰
桜汰
海生
海生
桜汰
言われてみれば、そんなこともあったような…。
桜汰
海生
海生
桜汰
桜汰
桜汰
海生
桜汰
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