少し歩いて、 靴箱まで来ると、 テヒョニヒョンは手を離した。
僕は夢から覚めたみたいな気分になって、 話された手を見つめる。
下足に履き替えてテヒョニヒョンのもとに駆け寄っても、 また手を握られることはなかった。
…急に襲いかかる、 心の寂しさ。
JUNGKOOK
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…来てくれたの?
その言葉を言わなくても、 意味を理解をしたテヒョニヒョン。
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さっきのテヒョニヒョンはどこに行ってしまったのか、 声は冷たいトーンに戻っていて、 僕のほうを向こうともしない。
JUNGKOOK
恐る恐る背中にそう声を投げかければ、 やっぱり帰ってきたのは冷たい声。
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JUNGKOOK
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そんなふうに見えなかったせいか、 頭の中は少しだけパニック状態に近かった。
噂話は、 あまり信用したくない。
でも、 テヒョニヒョンは憶測で話すような人ではないし、 ちゃんと理由がなければ、 そういうものを信用しない人だ。
だから、 テヒョニヒョンの言うことは信じてるし、信じたい。
JUNGKOOK
ただ、 どうしてそんなふうに言うのか、 気になった。
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テヒョニヒョンのセリフに、 先生のことなんて頭の中から飛んでいってしまった。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
JUNGKOOK
テヒョニヒョンか、 知るはずもないのに。
同じクラスでもないんだから。
JUNGKOOK
"しまった"という表情するテヒョニヒョンに、 一つの仮説が浮かぶ。
JUNGKOOK
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可能性は、 ゼロに近いけれど。
だって、 テヒョニヒョンは僕が嫌いだから、 そんなことをする理由がない。
でも、 もしかしたら……。
僕が合唱部の手伝いをするのを知っていて、 終わるまで… こんな時間まで待っていてくれたのかもしれない。
自惚れすぎだと思いながらも、 ほんの少しの可能性に賭けたい僕がいた。
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JUNGKOOK
JUNGKOOK
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理由を聞こうとした僕の声は、 イラついたテヒョニヒョンの声にかき消された。
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もう僕には何も言わせないと、 追い打ちをかけてくるテヒョニヒョン。
その声は、 テヒョニヒョンのものかと疑うほど低くて…。
一瞬、 萎縮(いしゅく)した僕だったけれど、 すぐに反論した。
JUNGKOOK
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JUNGKOOK
またしても、 言う前にかき消されてしまうセリフ。
僕が協力しますって言ったんだから。
やっぱりできませんなんて、 そんなの無責任すぎる…。
テヒョニヒョンの言うことは聞きたいけど、 僕にもポリシーがあるから…。
JUNGKOOK
そう言って見上げれば、 テヒョニヒョンが、イラだったように僕と目線を交わらせた。
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JUNGKOOK
何も言い返すことができず、 黙り込む。
テヒョニヒョンは、 心配してくれてるの?
でもきっとそれは、 一生徒としてしてくれているんだろうけど… でも、 心配してくれるのは素直に嬉しい。
けど、やっぱり…
諦めの悪い僕は、 もう一度口を開いた。
JUNGKOOK
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やっぱり、 言わせてくれないし、 やらせてくれない。
もう、 諦めよう。
テヒョニヒョンがここまで言うんだから。
JUNGKOOK
続けて「駄々こねてごめんなさい」と謝れば、 テヒョニヒョンは切なそうに顔を歪める。
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その表情の理由が、 やっぱり僕にはわからない。
JUNGKOOK
もうすぐ家につく…という時、 僕はあることを思い出した。
JUNGKOOK
それを聞こうと思ってたんだった…。
昨日の事件後に何があったのか、 僕は当事者だから教えてもらえないかな?
じーっと見つめていれば、 またしてもイラだった表情に変わったテヒョニヒョン。
見るからにイライラしていて、 僕のほうを見ず吐き捨てるように言った。
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気になるの?って…そりゃあ…
JUNGKOOK
どこか嫌味が混ざっているようなテヒョニヒョンのセリフに、 落ち着いた声色で返す。
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停学…。
あまり重くない処分に、 ホッと心の中で息を吐く。
でも、 次にテヒョニヒョンから出てきた言葉に、 僕は驚きを隠せなかった。
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JUNGKOOK
僕は開いた口が、塞がらない。
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僕の考えを見透かしたように、 吐き捨てたテヒョニヒョン。
その横顔に、 僕は必死に訴えかけた。
JUNGKOOK
JUNGKOOK
まだ、 高校に入学したばかりだよ?
ゆかりさんにだって、 人生がある。
僕がそれを、 潰すわけにはいかない。
そう思いながら、 心のどこかでは自分を守りたいだけなのではないかと思う。
人に恨まれるのは怖い。
これ以上、 誰かに恨まれたくないだけかもしれない。
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まるでゴミでも見るような目で僕を見るテヒョニヒョンに、 胸が張り裂けそうになる。
JUNGKOOK
伝わらなかったのだろうか、 この僕の気持ちが。
JUNGKOOK
テヒョニヒョンにとっては、 僕の気持ちは鬱陶しいだけ。
それ以外の何物でもない。
わかってるけど、 でもテヒョニヒョンだけには誤解されたくない。
JUNGKOOK
テヒョニヒョンしか、 好きじゃない。
テヒョニヒョンは、 僕だけは無理って言ったけど…
JUNGKOOK
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JUNGKOOK
テヒョニヒョンなら、 わかってくれるよね…?
JUNGKOOK
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コメント
10件
自分のペースで頑張ってください!
この話好き。主さんも好きっ💗
あとみなさまもサランヘヨ!( *´꒳`* )